研究課題/領域番号 |
22310019
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高木 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (20322844)
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研究分担者 |
高木 正博 宮崎大学, 農学部, 准教授 (70315357)
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
中根 周歩 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (00116633)
梁 乃申 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (50391173)
石田 祐宣 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60292140)
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キーワード | 土壌呼吸 / 温暖化 / 森林 / 日本全国 / 炭素窒素循環 |
研究概要 |
日本における森林土壌の炭素・窒素循環に及ぼす温暖化の長期的影響を評価するために、全国の6種類の森林において温暖化操作実験を継続した。長期継続観測に伴う、既存システムの修理や劣化器材の交換等を行った。また6地点において共通の、リターフォール・土壌水観測方法を決定し器材の設置を行った。北北海道の針広混交林では、平均3.3℃の地温上昇により、土壌呼吸量が97%増加した。昇温1℃あたり30%の増加であった。温暖化区のQ10値(2.81)は対照区(2.3)よりも高くなった。弘前のミズナラ林では2008年から3年間で平均2.5℃加温させた温暖化区では、土壌呼吸量が平均で約17%増加したが、Q10の値が小さくなった。酷暑であった2010年のQ10も小さかったことより、温暖化が進むとQ10が小さくなる可能性が示唆された。つくばのアカマツ林では、温暖化区における土壌呼吸量は対照区と比較して、昇温1℃あたり平均7.3%増加した。また、リターバック法を用いて6地点からサンプリングした落葉を温暖化サイトに設置し、温暖化が異なる森林生態系のリターの分解に及ぼす影響に関する操作実験を開始した。苗場山のブナ林では、2種の温暖化処理区(土壌をより低標高へ移動、ヒーターによる加熱)の微生物呼吸量を測定し、地温の上昇にともなう微生物呼吸量の変化を調べた。温暖化により、Q10が高くなる傾向が認められた。広島のカシ林では、温暖化処理によるQ10の変化は認められなかった。宮崎のシイ林では、温暖化による落葉の分解速度への影響を調べるために,リターバッグを設置した。重量減少率が温暖化区で3割,対照区で4割であり,温暖化区での乾燥が重量減少を抑制している可能性が示唆された。またスギおよびヒノキの苗木の生理生態特性に温暖化が及ぼす影響を明らかにするために,苗畑にそれぞれ15本の鉢苗を準備した。
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