| 研究課題/領域番号 |
22310025
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| 研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
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研究代表者 |
佐治 光 独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 室長 (00178683)
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| 研究分担者 |
清水 英幸 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生研究グループ (80132851)
菊池 尚志 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物ゲノムユニット, 上級研究員 (90370650)
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| キーワード | 環境影響評価 / イネ / 遺伝子 / 霧 / 酸化的ストレス / 酸性霧 / ストレス / マイクロアレイ |
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| 研究概要 |
長崎県高標高地域の水田で発症する水稲葉枯症の原因究明のための研究を、可視障害の発現、生理活性の変動および植物の遺伝子発現プロファイル解析に基づいて実施し、ストレス診断法の開発を目指している。本年度は、これまでの研究で原因としての可能性が示唆されている酸性霧による環境制御実験を主に実施し、その影響解析を行った。特にイネの遺伝子発現変化をマイクロアレイ法により計測し、我々の有するものを含めた既存データベースと相互比較した。
具体的には、環境制御室で育てたイネを、ほぼ中性の霧(pH5.6)と酸性霧(pH3.0)で処理し、1日または7日後にイネの葉を収穫してRNAを抽出し、アジレント社の44K DNAアレイを用いてイネの遺伝子発現変化を解析した。その結果、これらの霧処理によりイネの約700～2,000種類の遺伝子の発現が変化することがわかり、変化した遺伝子の数と変化の程度が、中性の霧よりも酸性霧で大きい傾向が見られた。得られた結果をデータベース上の情報等と比較した結果、霧処理による遺伝子発現変化は、病原体によるものと似ていて、酸化的ストレスの特徴を示すことがわかった。
このように、非生物的ストレス因子である霧(特に酸性霧)が生物的因子である病原体等と同様に作用するという知見はこれまでに無い新規なものであり、その作用機構も含めたいへん興味深い。今後個々の遺伝子についてその発現変化を詳細に解析することにより、酸性霧が植物に及ぼす影響と応答機構や他のストレス反応との共通点等が明らかになると期待される。
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