研究課題
ゲノムDNAに損傷が生じた時、細胞では細胞周期チェックポイントが働くことによりゲノム安定性が維持されている。この「細胞周期チェックポイント」機構は、あらゆるタイプのゲノム損傷に対する生物の基本戦略である事が幅広く受け入れられている。一方、個体、体組織での損傷応答では、組織を構成する各細胞は、各々の「細胞系譜」と「微小環境」により固有の増殖制御(細胞周期制御)を受けており、各細胞の損傷応答はゲノム損傷シグナルと細胞固有の増殖制御シグナルとのクロストークとして理解されなければならない。組織幹細胞は、各組織・臓器への多分化能を持ち、組織全体のホメオスタシス維持の機能を担っている。当然の事ながら、損傷からの組織レベルの回復においても重要な役割を果たしている。本研究では、組織幹細胞における、ゲノム損傷シグナルと「微小環境」からの増殖シグナルのクロストークを解析する系の確立を目指している。微小環境制御系解析のための、Wnt経路のFrizzled遺伝子群の変異体作製を行った。変異体の作製にはTILLING法を用いた。Frizzled遺伝子群はデータベース上、現在までに10個確認されている。これらの遺伝子群について網羅的にスクリーニングするため次世代シークエンサーを用いたメダカTILLINGライブラリーのスクリーニング系を立ち上げを行い、成功した。その結果これまでにFrizzled3-2のY170およびC295、Frizzled10のY328のナンセンス変異体を得ることができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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