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2012 年度 実績報告書

低線量放射線被ばくのゲノム損傷を測る分子的生物線量計の開発と発がんリスク評価

研究課題

研究課題/領域番号 22310037
研究機関広島大学

研究代表者

神谷 研二  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60116564)

研究分担者 笹谷 めぐみ(豊島めぐみ)  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (80423052)
飯塚 大輔  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00455388)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードREV1 / ゲノム障害 / ゲノム修復 / 損傷乗り越えDNA合成 / 放射線 / ポリメラーゼ / 突然変異 / 発がん
研究概要

21世紀の社会では、原子力エネルギーや医療、産業等での放射線の利用が激増するが、低線量放射線の健康影響問題は人類共通の課題となっている。本研究では、最新の突然変異誘発機構の研究成果を応用して、低線量放射線被ばくによるゲノム上の爪痕を解析し、これを用いた分子レベルの生物線量計の開発を試みる。その為、突然変異を誘発するRev1トランスジェニックマウス(Rev1マウス)とヒト家族性大腸腺腫症のモデルマウス(ApcMin/+ マウス(Minマウス))を交配したF1マウスを利用する。このマウスを用いることで、変異原による小腸腫瘍誘発が高感度に検出できるか、さらには放射線被ばくの爪痕とその発がんリスクが評価できるのかを検討した。同時に、点突然変異を誘発する分子機構解析を進め、その成果を放射線等による点突然変異を介する発がん機構の解析とそのリスク評価に応用できるか検討した。昨年度は、Rev1遺伝子のトランスジェニックマウス(Rev1マウス)とApcMin/+ マウス(Minマウス)を交配したF1マウス((Rev1 X Apc Min/+ )F1マウス)を作成し、F1マウスは、Minマウスと比較して、自然発がんのみならず、放射線発がんに対しても高感受性を示すことを明らかにした。今年度は、F1マウス、Minマウスから得られた小腸腫瘍を用いて、APC遺伝子座における遺伝子変異の解析を行った。その結果、F1マウスで自然誘発された小腸腫瘍は、Minマウス由来の小腸腫瘍と同様のAPC遺伝子変異が観察された。一方、放射線照射によって誘発された腫瘍の解析から、F1マウスでは、Minマウスと比較して、APC遺伝子領域の欠失誘発頻度が低い結果が得られた。これらのことから、Rev1の過剰発現は、ゲノム欠失を誘発する機構とは異なる機構を介して、放射線照射による小腸腫瘍発症を促進することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] APC Min/+マウスにおける放射線誘発消化管腫瘍の解析2012

    • 著者名/発表者名
      笹谷めぐみ, 増田雄司,神谷研二
    • 雑誌名

      広島医学

      巻: 65(4) ページ: 316-318

    • 査読あり
  • [雑誌論文] En bloc transfer of polyubiquitin chains to PCNA in vitro is mediated by two different human E2-E3 pairs2012

    • 著者名/発表者名
      Masuda Y
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Res.

      巻: 40(20) ページ: 10394-10407

    • DOI

      10.1093/nar/gks763

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 放射線によって誘発されるDNA損傷に対する複製後修復経路の機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      増田雄司
    • 雑誌名

      広島医学

      巻: 65(4) ページ: 292-294

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 恒常的な放射線照射に対する細胞応答の線量率依存性の解析2012

    • 著者名/発表者名
      河合秀彦
    • 雑誌名

      広島医学

      巻: 65(4) ページ: 302-304

    • 査読あり
  • [学会発表] Function of RAD18 on radioresponse2013

    • 著者名/発表者名
      Xu Yanbin
    • 学会等名
      The 2nd International Symposium Phenix Leader Education Program (Hiroshima Initiative) for Renaissance for Radiation Disaster
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20130211-20130211
  • [学会発表] ヒトPCNAのユビキチン化酵素RAD6-RAD18複合体の構造と機能2012

    • 著者名/発表者名
      増田雄司
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第55回大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120907-20120907
  • [学会発表] 白血病モデルマウス(Bcr-Ablトランスジェニックマウス)を用いた放射線誘発胸腺リンパ腫発症機構解明2012

    • 著者名/発表者名
      笹谷めぐみ
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第55回大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120907-20120907
  • [学会発表] 異なる線量率のγ線照射下での細胞応答の多次元的解析2012

    • 著者名/発表者名
      河合秀彦
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第55回大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20120906-20120906
  • [学会発表] 複製後修復機構が放射線損傷応答におよぼす寄与2012

    • 著者名/発表者名
      徐衍賓
    • 学会等名
      第53回原子爆弾後障害研究会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20120603-20120603
  • [学会発表] 慢性的なγ線照射に対する細胞応答の先端技術を用いた解析2012

    • 著者名/発表者名
      曹麗麗
    • 学会等名
      第53回原子爆弾後障害研究会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20120603-20120603
  • [学会発表] 放射線発がん分子機構の解明2012

    • 著者名/発表者名
      飯塚大輔
    • 学会等名
      第8回広島大学・長崎大学連携研究事業カンファンランス- 放射線災害医療の国際教育研究拠点に向けた機関連携事業
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20120602-20120602
  • [学会発表] 慢性的な放射線照射に対する細胞応答の先端技術を用いた解析2012

    • 著者名/発表者名
      河合秀彦
    • 学会等名
      第8回広島大学・長崎大学連携研究事業カンファンランス- 放射線災害医療の国際教育研究拠点に向けた機関連携事業
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      20120602-20120602
  • [学会発表] Role of post-replication repair system on radioresponse2012

    • 著者名/発表者名
      XU Yanbin, 笹谷めぐみ, 河合秀彦, 増田雄司 , 神谷研二
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第55回大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2012-09-06

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公開日: 2014-07-24  

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