研究課題/領域番号 |
22310041
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 岳 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (30192397)
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研究分担者 |
古武 弥一郎 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (20335649)
坂田 省吾 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50153888)
椋田 崇生 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (60346335)
石原 康宏 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (80435073)
石田 敦彦 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90212886)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ニューロステロイド / エストラジオール / 海馬 / メチル水銀 / トリブチルスズ / 神経保護作用 |
研究概要 |
今年度は、外来有機金属による発達期の神経毒性への機序と、ステロイドによる保護作用について、主に in vivo の実験を行った。 まず、環境汚染物質であるトリブチルスズによる神経毒性の発現メカニズムを明らかにした。新生児ラットから調製した海馬スライスにトリブチルスズを作用させると、細胞内の活性酸素種や脂質過酸化物濃度が増加し、細胞死が引き起こされた。スライスをスーパーオキサイドディスムターゼやカタラーゼ、トロロックスで処理して活性酸素除去作用を高めると、トリブチルスズの毒性が軽減され、細胞死への活性酸素種の関与が示唆された。トリブチルスズは海馬スライスのグルタチオンS-転移酵素活性を阻害したので、スライスを前もって還元型グルタチオンで処理したり、グルタチオンS-転移酵素の発現を高めておくと、トリブチルスズによる毒性が軽減された。これらの結果は、トリブチルスズ毒性がグルタチオンS-転移酵素活性の阻害によって引き起こされることを意味している。 次に、そのトリブチルスズのラット海馬スライスへの神経毒性が、ステロイドホルモンであるプロゲステロンで軽減されることを見出し、その作用機序を調べた。プロゲステロンの神経保護作用は、プロゲステロンレセプターのアンタゴニストで影響されないこと、プロゲステロンからアロプレグナノロンを生ずる酵素の阻害剤で保護作用が弱まること、アロプレグナノロンは神経保護作用を持つことから、プロゲステロンは海馬内でアロプレグナノロンに変換されて神経を保護することを明らかにし、さらにアロプレグナノロンはGABAレセプターに作用して神経保護作用を発揮することを明らかにした。 また、ラット海馬スライスを用いて、メチル水銀による神経毒性が、海馬の合成するエストラジオール(女性ホルモン)によって軽減されること、その作用はエストロゲンレセプターαとβを介していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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