研究課題/領域番号 |
22310043
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中野 和典 日本大学, 工学部, 准教授 (30292519)
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研究分担者 |
野村 宗弘 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70359537)
西村 修 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80208214)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 人工湿地 / 道路流出水 / ペルフルオロカーボン / 亜鉛 / 多環芳香族炭化水素 / パッシブトリートメント |
研究概要 |
本研究では,多様な微量化学物質に包括的に対応する人工湿地ユニットを開発し,流出水の生態影響を緩和するパッシブトリートメントシステムを実現することを目的とした。陽イオンとして亜鉛、陰イオンとしてクロム酸およびペルフルオロカーボン,疎水性物質として多環芳香族炭化水素(ピレン)をモデル物質とし、それらが共存する条件でスクリーニングを行い、ハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウムおよび活性炭を人工湿地ユニットに適用可能なろ材として絞り込んだ。同種のイオン間(陰イオン)の競合により、最も低濃度で存在するペルフルオロカーボンの吸着が阻害されると予想されたが,ペルフルオロカーボンの吸着阻害は生じなかった.また、ペルフルオロカーボンの吸着が疎水性に起因する可能性を検討を行なったが、ピレンの存在でその吸着が阻害されることもなかった。一方、実際の環境条件を想定したフミン酸を共存させた条件下では、ペルフルオロカーボンの吸着が阻害された。ピレンが共存する場合には、ペルフルオロカーボンとピレンの多層吸着が起こり、フミン酸が共存する場合には、ペルフルオロカーボンとの競合吸着が生じることが示唆された。滋賀県草津市のファーストフラッシュ浄化施設で実施したハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウムおよび砂(対照系)をろ材とした人工湿地ユニットの浄化性能の実証実験では、砂のユニットで見られた亜鉛の破過がハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウムの2系統では見られず、多環芳香族炭化水素類の除去でもこれら2系統が劣ることはなかった。ペルフルオロカーボンは道路からの流入濃度が測定限界以下であり、その除去効果を明らかにできなかった。これらの結果より、これら2種のろ材に加えてフミン酸の除去性能を備えたろ材を人工湿地の上層部または上流部に設置することで、多様な微量化学物質に対応するパッシブトリートメントシステムが構築できると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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