研究課題
メタンやメタノール、ホルムアルデヒド(HCHO)などのC1化合物を利用する微生物のC1化合物代謝制御の分子基盤に立脚した環境技術開発を目的に、以下の3項目に関する研究を行った。1. ホルムアルデヒド代謝機能強化による高機能メタン資化性細菌の創出と利用メタン資化性細菌Methylococcus capsulatusおよびMethylovulum miyakonenseでは、HCHO資化経路であるリブロースモノリン酸経路の鍵酵素(Hps, Phi)をコードする遺伝子が、オペロン型と融合型の2種存在しており、それぞれが活性型酵素をコードしていることを示すとともに、それぞれの遺伝子産物の細胞内局在性を明らかにした。また新規に取得したメタン資化性細菌Methylosinus sp.において、接合伝達による形質転換系を構築した。2. HCHO代謝機能強化によるメタノール資化性菌有用物質生産系の高効率化メタノール資化性酵母の本酵母のHCHO応答性遺伝子発現に関わる因子として単離したMsn5pの遺伝子破壊株の取得に成功し、本破壊株がメタノール培養時に若干の生育阻害を受けること、ホルムアルデヒド感受性が高くなることを見出した。メタノール資化性細菌由来のHpsの結晶構造を明らかにした。Methylobacterium extorquensにHps-Phi人工融合酵素を発現させ、発現レベルの最適化と様々な培養条件における生育評価を進めている。3. HCHO検出セルセンサーの開発と植物によるHCHO吸収・除去枯草菌のHCHO応答性プロモーターを用いるHCHO検出センサーについて、転写開始点付近の配列を最適化する等、検出感度の向上を試みた。Hps-Phi人工融合酵素の観用植物(ゼラニウム)における発現に成功し、HCHOを吸収できることを示した。
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