研究課題
前年度までの研究において顕著なセレン揮発化能力を示すことが明らかになったPseudomonas stutzeri NT-Iを用いて、実容積3 Lのジャーファーメンターにおいて水相からのセレンの揮発化速度の向上を図るとともに、その揮発化回収が可能であることを実証した。ジャーファーメンターの制御条件を最適化し、温度38℃、pH9.0、撹拌速度250 rpm、通気量1 L/mimで回分培養を行った結果、0.5 mMのセレン酸を含む培地からのセレンの最大除去速度は16 μmol/L/hに向上した。また、48時間後には水溶性セレンの76%が揮発化され、66%を夾雑物が少ない状態で簡易な硝酸トラップに回収することができた。これにより、バイオボラタリゼーション作用による水相からのセレンの除去及びセレン回収が実現可能であることを示すことができた。また、金属工場の排水溝から単離された亜テルル酸耐性細菌Stenotrophomonas maltophilia TI-1、Ochrobactrum anthropi TI-2、およびO. anthropi TI-3によるテルル揮発化回収に向けた基礎検討を行った。これらの菌株は30日間の好気培養で1 mMの亜テルル酸を最大24%揮発化させることが明らかとなり、培養条件を最適化することにより揮発化速度を加速することができれば、これら菌株を揮発化回収エージェントとして利用できる可能性が示唆された。また、これら菌株による水相からの亜テルル酸の最大除去速度は、それぞれ58 μmol/L/h、62 μmol/L/h、および130 μmol/L/hと非常に高かったことから、テルルの固化回収のための非常に優れた微生物触媒であることが示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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