研究概要 |
本研究の目的は船舶用大容量ディーゼル高濃度排ガス処理技術として,補修困難な電気抵抗値の低いディーゼル微粒子(PM)に対し、再飛散現象を抑制する静電流体電気集じん装置(EHD ESP)の開発,また,NOx処理においては特殊吸着材を用い,吸着・脱離・濃縮後,低容量化した排ガスに窒素プラズマを用いた完全還元処理の2つの要素技術を結合させ革新的.経済的PM・NOx高効率同時処理技術を確立する.船舶用排ガス処理にむけ,3.2Lディーゼルエンジンを用いた風洞実験装置を準備した.改良型EHD ESP,を設計・制作し,主電流密度測定,シュリーレンシステムによるEHD ESPの正殿流体場の可視化により流、体流速と電極ポケット構の相対電極位置の最適化を決定し,SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)とParticle Counter(PC)を用いてディーゼル微粒子20-5,000nmの粒子径による個数や重量集じん効率の経時変化を測定し,4~7m/sの流速でも90%以上の効率を達成でき,再飛散現象の抑制ばかりではなく従来型ESPと比較して高効率集じんを行えることを確証した. 一方,NOx処理技術ではモレキュラーシープ13X(孔径10オングストロム)にMn,Cu触媒を担持NO・NO2吸着材を使用し,模擬ガスや200ccディーゼルエンジンを用いたNOx処理を行った.実ガスを用いた場合,完熱交換器の排ガス熱の利用に問題があり,熱脱離が効率よく行われなかった.熱交換器の改良制作をする必要がある.模擬ガスを用いたシステムでは窒素プラズマを用いて2,500ppmNOをほぼ完全に還元できろことを確証した. また、EHD ESPに沿面放電を結合させたプラズマESPを試作制作し,200ccエンジンを用いて2m/s程度の実験でPM捕集とオゾンによる燃焼させることを確証した.
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