研究概要 |
アミノフェニル部位を導入した新規2次元ナノポーラス材料新たに合成し、ビフェニル部位架橋型の二次元ナノポーラス材料(以下、BESB-ilerite)との比較を行った。アミノフェニル部位の導入は、スペーサー分子とアミノフェニル部位を同時に層間に導入することにより行った。スペーサー分子は、アミノフェニルトリメトキシシラン(APhS)と1,4-フタルアルデヒドを反応させることにより合成した。スペーサ分子とAPhSの混合比率を変化させることによって架橋に最適な条件を決定した。X線回折測定から、得られた条件から合成された新規材料が、スペーサー分子によって架橋され、かつアミノフェニル部位を有する材料であることを確認した。また、窒素吸着等温線測定からこの新規材料による検知膜はBESB-ileriteに比べて分子形状識別に有利なタイトな空孔を有するが、同時に比表面積が低いという特性を有することが分かった。その結果、得られた材料を用いて水晶振動子上に検知膜を作成し、トルエンガスに対する感度を評価した。その結果、その感度はBESB-ileriteよりも劣ることが確かめられた。その原因は、低比表面積に起因する。比表面積の向上は、今回実施したスペーサー分子を用いた方法により十分可能であり、今後分子長の長いスペーサー分子の設計と合成により改善を図る予定である。
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