研究課題/領域番号 |
22310064
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
B JEYADEVAN 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (80261593)
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研究分担者 |
伊藤 隆 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 准教授 (40302187)
松本 高利 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50343041)
篠出 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10311549)
粕谷 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (50509734)
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キーワード | ポリオールプロセス / ナノ粒子 / 白金合金 / 電波吸収体 / アンテナ材料 / 燃料電池触媒 / 磁性材料 / 光電変換材料 |
研究概要 |
23年度は、金属粒子の表面特性評価及び表面修飾に関する基礎的研究をベースとした実施計画を立て、a)ナノ粒子の題表面状態評価b)表面吸着特性評価などに関する研究を行うことにした。それに加えて、計算化学を用いたポリオールプロセスにおける還元反応解明、多溶媒分散金属分散液の開発、及び遷移金属ベース機能性ナノ粒子の合成技術開発.物性評価を行った。成果を下記に示す。 (1)ポリオールプロセスを用いたFeCoナノ粒子の表面分析を行った結果Fe及びCo元素の分布状況に関する結果を得たが、ナノ粒子の表面状態及び表面吸着特性に関する明確の結果は得られなかった。それについて引続き研究を行う予定である。 (2)ポリオールプロセスにおける還元反応解明についてイオン化エネルギーを計算することで、エチレングリコール単体の還元能を定量的に解析し、エチレングリコールが溶液中でアルコキシドとなることで還元能が高まり、安定化することが明らかになった。これにより、金属の還元反応が進むと考えられる。(2011年度金属学会年次大会にて発表) (3)機能性ナノ粒子の開発において、 (ア)アルコール還元法を用いて粒径が18nm程度のより均一なニッケルナノ粒子合成に成功し、アニオン配位子交換法により、疎水性及び親水性溶媒置換を可能にした。 (イ)アンテナとしてFeベース合金粒子物性評価行い、特にFeCo合金粒子のアンテナ材料としてポテンシャルを明確にした。成果は、学術雑誌J.Appl。Phys.(1件)に報告した。 (ウ)光電変換材料としてサイズ及び形状を制御した純粋な酸化銅(CuO、Cu20)ナノ粒子の合成し、酸化銅一酸化亜鉛太陽電池セルを作製し、量子効率を評価。 (エ)燃料電池触媒として、Pt使用量の減量、PtのCO被毒改良と使用後のPt回収を目的としたNi-Pt磁性合金ナノ粒子合成と特性評価行った結果、Ni_<95>Pt_5及びNi_<90>Pt_<16>ナノ粒子はPt粒子に比べて高触蝶性能を示すことを確認した。(Crys EngComm(2011)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンテナ材料、光電変換材料、燃料電池触媒材料としての応用が見込まれる材料の開発や特性評価に関する研究は進展しているがナノ粒子の表面状態評価および表面吸着特性評価に関する研究成果は十分ではないと考える。従って、24年度にも継続して研究を行うことにする。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、ナノ材料の更なる特性向上/機能拡大を目指した材料開発を行い、工学的応用についても検討する。 (1)磁性ナノ粒子開発:我々が開発した既存の合成技術を用いたFeCoやFePtナノ粒子を出発物質として用い、ウェットプロセスによる(1)FePt-FeCo粒子合成を目的とした白金ナノ粒子の合成とそれを核として外殻にFeCoをコートしたPt/FeCo粒子の合成および(2)L2_OFeCo粒子合成技術開発を行い、磁石材料としての物性評価を行う。 (2)半導体ナノ粒子開発:既に高純度の一酸化銅なの粒子の合成技術開発に成功している。従って本年度は、銅酸化物ナノ粒子の合成過程の詳細な検討を行い、結晶構造および形状制御について検討し、結晶構造および形状による光学特性について評価を行い太陽電池材料としてのポテンシャルを評価する。 (3)触媒ナノ粒子開発:白金の減量化に優れたノベルなNi-Pt粒子の合成やそれらの触媒活性については実証済である。水素化反応においてNi_<90>Pt_<10>ナノ粒子はPtナノ粒子と同程度の活性を示した。そこで、それらの粒子の燃料電池触媒としての評価を行う。さらに、Ni-Ptナノ粒子へのPd導入の検討・合成条件の最適化を行うと共に自動車触媒としてのポテンシャルを評価する。
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