研究課題
本年度、単一分子として用いるカーボンナノカプセル(巨大フラーレン分子)に新たに内包させた物質は、鉄、ジルコニウムとそれらの炭化物、ランタノイド系元素の金属とその炭化物である。特に、合成時の各種条件を変え、目的粒子合成の効率を改善し、これによって単一分子素子形成の成功率が高まった。これまで本プロジェクト研究で確立してきた手法論に沿って、合成したナノカプセルを、透過型高分解能電子顕微鏡法で観察し、各ナノカプセルの外形、表面、欠陥、および両者の界面構造の原子配列を観察した。特に界面構造に関しては、各単一分子素子の構造と特性を支配する因子となるために詳細に解析した。また、代表的な中空フラーレン分子であるC60分子、C70分子、およびランタノイド系元素を内包したフラーレン分子を高分解能透過型電子顕微鏡観察し、格子像の計算機シミュレーションとの対比から、構造決定の結像条件を明らかにして、このフラーレン分子を用いた単一分子デバイス研究の基礎を固めた。本研究者の開発してきたその場高分解能透過電子顕微鏡法を用いて、上記の本年度作製した金属および炭化物内包カーボンナノカプセルと中空および金属内包フラーレン分子を中核要素とする単一分子接合デバイスを作製した。本年度は電極金属も複数種に増やし、単一分子接合の構成を拡張した。こうした単一分子接合の作製過程をその場で電子顕微鏡観察し、その原子ダイナミックスを調べ、これらのデバイス形成の機構を明らかにした。特に、電極-分子―電極の間の距離を変え、それに対応させて電気伝導を調べた。以上、本年度は、対象とする分子と電極の種類が拡張され、従来不明であった単一分子接合の構造(原子配列)が原子直視的に初めて明らかにされた。さらに単一分子接合の原子配列と電気伝導特性の相関を実験的に解明できる手法が、本プロジェクト研究により確立された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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