その場透過電子顕微鏡法を用いて、中空および金属や炭化物を内包したフラーレン分子とカーボンナノカプセルを主構成要素とする、これまでに作製されていない型の単一分子接合デバイスを作製し、そのときの原子ダイナミックスを観察した。さらに、同時に、それらと対応させた電気伝導・機械的特性を解析した。本研究で実施した項目は、(1)分子とカプセルの合成、(2)分子を挟むナノメートルサイズ金属電極とそれらによるナノギャップの作製、および(3)電子顕微鏡内における単一分子デバイス作製と構造・物性評価であった。従来不明であった個々の単一分子デバイスの原子配列と電気伝導特性の相関を実験的に解明できる手法が確立された。
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