研究課題
申請者は、透過電子顕微鏡(TEM)および走査透過電子顕微鏡(STEM)のための高傾斜3軸試料ホルダーを世界で初めて開発し、転位をはじめとする結晶内部ナノ構造の3次元可視化技術を大きく進展させた。本研究では、球面収差(Cs)補正機付TEM/STEMのレンズ系調整を試料交換なしに行える機能を上記ホルダーに付与するとともに、熱膨張による試料ドリフトを抑える改良を施し、将来の超高分解能3次元TEM/STEM観察に対応できる新規高傾斜3軸試料ホルダーを開発することを目的としている。本年度は、物質・材料研究機構の木本博士の協力を得て、FEI製Cs補正投下電子顕微鏡で上記試料ホルダーの性能評価を行った。原子分解能像における試料ドリフト量の経時変化を測定した。その結果、ドリフト量はFEI純正ホルダーのレベルと同等であり、原子分解能観察が実際に行えるレベルの完成度であることが示された。更に、電子顕微鏡最大手の日本電子製Cs補正TEM/STEM仕様に合わせた高傾斜3軸試料ホルダーの開発を行った。最新鋭のARM-200F Cs補正分析走査透過電子顕微鏡で実際にテストを行った。FEI製に比べてポールピースギャップが狭く、試料ステージのデザインの変更などが必要となったが、最終的には、HRタイプポールピースのARM-200Fにおいて、±60°以上の大角度試料傾斜を実現し、3軸傾斜機構も利用可能であることを確認した。このように、大手2社のCs補正透過電子顕微鏡に使用可能な高傾斜3軸試料ホルダーの開発という当初目的を達成することができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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NPG Asia Materials
巻: 4 ページ: e3 (7 pages)
doi:10.1038/am.2012.3
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