研究課題
金属薄膜でコーティングされた周期構造チップ(=プラズモニックチップ)では、プラズモンポラリトンと光との共鳴を利用して、抗原抗体相互作用によって結合したターゲット蛋白質から増強蛍光を検出できる。本研究では、①350nmあるいは500nmの周期構造(ピッチ)を有し、②金属薄膜(銀)を高屈折率無機薄膜(酸化亜鉛)でコートし、③酸化亜鉛に特異的に高密度に結合する抗酸化亜鉛抗体を利用する、という特徴をもつバイオチップにおいて、その構造に依存した光学特性と増強蛍光のメカニズムを明らかにしてきた。マーカータンパク質として脳由来神経栄養因子(BDNF)や炎症性サイトカインの一つであるIL‐6を選び、これらを認識するサンドイッチアッセイを構築した。BDNF検出においては捕獲分子としてBDNFプロドメイン標識抗酸化亜鉛抗体を調製し、IL‐6検出においてはビオチン標識抗酸化亜鉛抗体を調製して、ストレプトアビジンを仲介してビオチン標識抗IL‐6捕獲抗体を結合する方法で計測を行った。BDNFにおいては、10nMまでを定量的に評価でき、IL‐6においては、2pMまでの定量計測ができた。それぞれ高濃度で調製した抗酸化亜鉛抗体を表面に結合させたが、非特異吸着を十分に抑制することができなかった。BDNF検出ではBSAをブロッキング剤として用いることで改善したが、IL‐6ではBSAでのブロッキングは酸化亜鉛表面を削ると考えられる結果を表面プラズモン共鳴角の計測より得たため、BSAは使用しなかった。更なる高感度計測には、酸化亜鉛表面の検討も重要であることがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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