研究課題
原子間力顕微鏡によるプローブリソグラフィ技術を用いてシリコン基板に形成した10nmオーダの微細パターンにDNAを選択的に固定化し、これを起点として基板上でDNAオリガミのオリエンティド・セルフ・アセンブルを行う手法の構築に取り組んだ。幅20nm、ピッチ400nmのライン&スペースパターンを形成し、20nm×400nmの短冊状DNAオリガミをライン間に選択固定できることを示した。これによりMEMSを形成したシリコン基板上にDNAオリガミのオリエンティド・セルフ・アセンブルを行うために最も重要な、起点となる機能ナノブロックを時空間的に制御して基板上にセルフ・アセンブルする手法を確立できた。さらに、2本鎖DNAの形成と解離を光照射によって操作できるアゾベンゼンを導入した光応答性DNAを6角形の形状のナノ構造体に導入し、これらの制御された自己集合を検討した。光の波長に応答して2本鎖の形成と解離を制御でき、UV光の照射を行うと形成されていた2次元集合体は解離し、続けて可視光照射を行うと、再び集合体を形成した。また、UV-可視-UVと連続的に光照射しても集合体の解離と形成を可逆的に行えた。集合体は、光応答性DNA鎖の導入する位置によって、直線状、カーブ状、環状に集合させることができ、光照射の波長に応じた新たなプログラム自己集合の方法を確立した。以上より、MEMSデバイス上に、ナノ~ミリスケールをシームレスに融合したナノ・マイクロ融合システムを実現するための、プログラマブル・セルフ・アセンブルの基盤技術を構築できた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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