研究概要 |
本研究課題の目的は,1)削減方法(逐次最適方法,指標)2)空間単位(全国一律サービス対効率性)3)合意形成(中央集権対地方分権)という都市計画上の問題点を理論的に考察することにある.この問題解決には,インフラ高齢時代を迎え施設を「増やす」という成長時代に積まれた研究だけでは不十分である.縮小社会を受け,施設を「減らす」という施設配置方法に関して,基本的考え方,布石のようなものを提示する.具体的には,p-メディアン問題,p-被覆問題など標準的な施設配置モデルに焦点をあて分析を行う.本年度の主たる実績は以下の3点である. 第一に,2011年消防法の改正さらには東日本大震災を受けて,人口密度の低い地域にてガソリンスタンドの廃業が進んだ.そのためガソリンスタンドの過疎問題が顕在化している,そこでその配置に関して全国一律サービス対効率性という視点で拠点化や災害対応化という観点での最適配置を逐次配置法により求め検討を加えた. 第二に,高度成長期に大量に敷設した信号機や道路標識など交通インフラ施設の老朽化が進行している.これらの施設の更新ついて選択と集中が必要だと考えて茨城県内の調査を実施した.積分幾何科学の知見を活用しながら,逐次廃止という観点で,案内標識の冗長度合いから間引きすること,道路階層別から信号機をロータリーに替えることについて検討を加えた. 第三に,防災用コミュニティFM基地局は東日本大震災にて大きな役割を果たしが,平時での経営状態が芳しくない.そこで,その配置問題について,平時利用者と災害時利用者(津波避難など)とのトレードオフから分析を加えた.
|