研究分担者 |
三好 直人 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20263121)
藤澤 克樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (40303854)
岡本 吉央 北陸先端科学技術大学院大学, 大学院・教育イニシアチティブセンター, 特任准教授 (00402660)
山下 真 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (20386824)
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研究概要 |
22年度当初にあげた目的に沿って,以下の2つの研究課題(I)および(II)に関する研究を行い,それぞれについての研究成果を得た. (I)センサネットワークの位置推定問題に対する計算効率のよい半正定値計画緩和の構築.距離推定に誤差を含まない理想的なセンサネットワークの位置推定問題は多変数の2次方程式系として記述出来る.半正定値計画緩和手法はその2次方程式系を数値的に解く強力な手法であるが,大規模なセンサネットワーク問題では多くの計算時間と大量のメモリーを必要とする.この欠点を補うためには2次方程式系から冗長な式を削除することが有効である.削除方法は自明ではなく,冗長でない式を取り除いてしまうと位置推定に大きな誤差を生じる.2次方程式系から冗長な式を削除する2つの方法を実装し計算実験を行った.その結果,センサネットワークのコーダルグラフ疎性に基づいて冗長な式を削除する方法がグラフのtrilaterationに基づく方法よりも優れていることが分かった.今後はこの2つの方法の長所を組み合わせた方法等の開発を考えている. (II)センサの位置推定計算.半正定値計画緩和手法は計算時間とメモリー消費の2つの点で大規模なセンサネットワークの位置推定問題への適用が困難になる.この困難を解消するために,センサネットワークの位置推定問題に連続変形法を適用する方法の研究を開始し,その理論的な枠組みを構成した.今後はこの方法を実装し,上述の半正定値計画手法との比較を含む計算実験を行う予定である.
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