研究課題
平成24年度は,安全と危険の間のグレイゾーンを陽に取り入れたモデルを基に,事前予測が困難なタイプと閾値設定に何段階かが存在するタイプのそれぞれにおいて,グレイゾーンでのトラブルを回避するための学習の可能性について検討した。(1) 事前予測が困難なケースにおける学習について:製品・システム設計では,ユーザの類似製品使用経験等に依り3つのパターンに分類され,各パターンでのトラブル原因に差異が生ずるため,望ましい取扱説明書・警告表示の記述方法に差があることを整理し,学会にて発表した。システム管理・作業マネジメントの観点では,医療関係の作業に注目し,メタルールを活用してグレイゾーンでの作業向上に着目,そのための教示方法を実験にて追究した。その結果は,既に学内シンポジウムで発表したが,平成25年5月には学会にて公表する。研究分担者の伊藤は,極端に頻度の少ない稀事象に対する対応をグレイゾーンの側面から考察すると共に,自動車の運転支援システムの実験により,事前警告が及ぼす人の行動変化への影響について分析し海外雑誌にて発表した。(2) 閾値設定に依存するケースの学習について:リスク・コミュニケーションの観点では,原子力発電所での事故対応を中心に検討した結果,規制側と運営側での安全基準と危険基準の食い違いが見られ,グレイゾーンでの対応の難しさが明らかとなった。連携研究者の稲葉は,グレイゾーンにおける意図的な高リスク行動抑制に効果的な情報について実験を実施,外部視点からのある種の情報が効果的であったことを明らかにし,国内外の学会にて発表した。最後に数名の有識者から参考意見をいただき,研究成果をまとめた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cognition, Technology, and Work
巻: 0
日本信頼性学会誌
巻: 34-6 ページ: 416-423