研究概要 |
ウォーターミストはハロン系消火剤に比較して,環境負荷がないため,代替消火剤として注目されている.本研究では火災時に発生する拡散火炎およびガス爆発を引き起こす予混合火炎の消火機構におよぼすウォーターミストの影響を実験的および解析的手法を用いて燃焼学的に明らかにした.拡散火炎の消炎に対しては,ミストの質量分率とミスト粒径の比(面積パラメータ)および蒸発ダムケラー数が支配的なパラメータであり,これらを大きくすることにより,拡散火炎を消炎することができる.一方,予混合火炎では,ウォーターミストを添加することにより燃焼速度が低下するが,これはミストの蒸発熱および水蒸気の熱容量による冷却効果が大きく影響している.しかし,水蒸気による反応抑制効果も無視できない.また,燃焼速度抑制効果は添加されるウォーターミストのモル分率で決定される.これらの知見はウォーターミスト消火設備の設計に極めて有用である.
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