研究課題
本研究は、(1)高速噴出火炎を発生させる実験装置の開発と火炎発生手法の確立及び(2)高速噴出火炎性状の計測を目的として研究を行った。(1) 「高速で噴出火炎を発生させる装置は、液体燃料(高分子炭化水素系燃料やアルコール類)及びガス燃料(プロパンガス)が1台でどちらも使用できる設計とした。この機器は、燃料を不活性ガスで押し出す構造となっており、押し出す不活性ガスの圧力とノズル径の組合せによって噴出流量が調節可能とした。(2) 高速噴出火炎性状の計測では、燃料をイソパラフィン系ソルベント、ノズル径を0.6mmとした。火炎形状(火炎高さ)を計測するため、フレーム速度300fpsのカメラにて火炎を撮影した。さらに赤外サーモカメラにて火炎及び火炎周囲の熱画像を取得した。火炎の周囲温度をK型熱電対(0.32mm)にて41点、熱流束を12点計測した。噴射ノズル位置を基準とし、水平方向へ3m、高さ5mの範囲を計測した。噴出方向は鉛直上方とした。その結果、火炎の噴出時間が1秒以上であれば、火炎はほぼ棒状に形成され、その高さは噴射時間毎に依存せず、発熱速度毎にほぼ一定であった。火炎高さは、Q*>10^6の範囲でも、無地点数R_Mの値が0.1よりも小さい場合は、火炎高さはQ*^2/5に比例して高くなった。火源中心軸に沿った温度減衰は、McCaffreyの関係式と比較すると、温度減衰の開始点がz/Q^2/5=0.15~0.20付近となり、McCaffreyよりも遠くなった。しかし、温度減衰が始まると、温度は距離に対してMcCaffreyの関係式よりも急速に低下した。
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Journal of Fire Science and Technology
巻: 29(印刷中)
Proceedings of 8th Asia-Oceania Symposium on Fire Science and Technology
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