研究課題/領域番号 |
22310106
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山 泰幸 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (30388722)
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研究分担者 |
浅井 秀子 鳥取短期大学, 生活学科, 准教授 (10331810)
石田 和之 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (30318844)
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キーワード | 中山間地 / 孤立集落 / 事前復興 / 民俗学 / 社会学 / 社会心理学 / 財政学 / 社会福祉学 |
研究概要 |
現在、中山間地では、人口の過半数を65歳以上の高齢者が占める「限界集落」が急増し、維持困難な状態と化している。とりわけ、来る東南海地震は、生活道路・通信手段を寸断し、「限界集落」の多くが「孤立集落」となると予想されている。本研究はこの点について、伝統的な村落共同体が自らを守るために伝承してきた「民俗的な仕掛け」を発掘し、社会学、民俗学、社会心理学、社会福祉学、財政学等、広く社会科学諸分野の研究者が領域横断的に、これを再利用する方法を開発する。具体的には、中越地震の災害復興経験を共通の出発点として、「災害に強いコミュニティ」に関する社会科学的モデルを構築し、中山間地の「事前復興」に対する実践的働きかけに結びつけようとするのが本研究の目的である。 平成22年度は、事前復興の条件をコミュニティの伝承や記憶、災害時に実際にそれが活かされた経験などを調査・再利用するための理論の輪郭とその方向を明らかにするために、西宮と東京で研究会を数回実施した。また、上記の方向性を明らかにするために、宮城、島根、鳥取、徳島にて現地調査を実施した。 また、徳島県三好郡東みよし町を、数次にわたって調査した。コミュニティがうまく維持・再生産が行われていた時代の記憶や、コミュニティの地理的条件や住居の構成や配置、家族構成や近隣関係、自治会組織などを調査した。特に、農村舞台の復活公演により集めた客を被災時のサポーターへとつなぐ試みや、消防団員の確保のルートとして地元の無形民俗文化財の保存会を活用するなど、独自の工夫や取り組みが明らかになった点は大きな成果である。
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