研究課題
わが国で発生する噴火の多くは水蒸気爆発型噴火であるが、その発生予測は、マグマが直接関与する噴火に比べて困難であるとされる。一般的に噴火規模が小さく、マグマの顕著な移動を伴わずに噴火が発生する事例も報告されているためである。しかしながら、過去には大きな人的被害をもたらしたケースもあることから、マグマ性噴火を監視する観測手法に一定の道筋がつけられた現在、水蒸気爆発型噴火の発生予測は、緊急に取り組むべき課題と位置づけられる。本研究計画では、従来までの力学的モニタリング手法に加え、水蒸気爆発の発生に深く関与する火山流体の挙動と火山体の構造に着目し、電磁誘導・地磁気・火山ガスによる水蒸気爆発発生場の複合モニタリング手法を開発し、検証実験を通じて水蒸気爆発に至る過程を解明することを目指す。今年度は、活動的な火口の直下の比抵抗構造を精密にモニターするためのループ型電磁探査装置を試作した。この装置を草津白根火山の水釜火口に設置することを目指している。ループはインピーダンスが低いので昇圧することなく送信機のバッテリー電源12Vを利用し、IGBTを利用することによって送信波形を矩形に近づけることとした。送信および受信信号は、10kHzの24ビットA/Dで計測することとした。またシステムはインターネットを介して遠隔から操作可能とした。また、全磁力モニターに関しては、プロトン磁力計を2式購入し、ソーラパネルを電源として用いて草津白根火山の水釜北斜面と湯釜南斜面に設置して、オフラインのモニターを開始した。また、火山ガスについては、水釜および湯釜周辺の噴気温度や硫化水素と水素の濃度をモニターした。
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