研究課題
本研究は、巨大地震による崩壊土石の高速・遠距離運動のメカニズムの解明、崩壊土石の運動速度や到達距離、衝撃力などを予測するシステムの確立および災害連鎖を考慮できる新しい土砂災害リスク評価手法の開発などを目指す。本年度では、以下の成果が得られた。1.崩壊土石の高速・遠距離運動のメカニズムに関する理論の確立および予測システムの開発 地震によるトランポリン現象を「卓球効果」に基づき解明し、提案した「多重加速モデル」を不連続変形法(DDA)に取り込み、崩壊土石の運動速度や到達距離、衝撃力などを予測するシステムを開発した。また、2008年岩手地震で記録された4000ガールの不思議な運動現象をDDA数値シミュレーションで再現し、その発生メカニズムを初めて解明した。2.新しい三次元動的な数値シミュレーション手法の開発 三次元不連続変形法プログラムを開発し、地震動条件、地形条件および地質・地盤材料条件等を考慮した崩壊土石の移動距離、速度および構造物との衝突力をシミュレーションする手法を確立した。また、地理情報システム(GIS)に基づき、3次元斜面モデルを容易に作成するツールを開発し、新しい動的な数値シミュレーション手法の実用性を向上した。3.天然ダムのハザードマップの作成手法の開発 2008年四川大地震で形成された天然ダムに関する調査結果に基づき、天然ダムの形成に必要な斜面地形、地質、地盤材料などの条件を明らかにした。また、GIS を利用して天然ダムのハザードマップの作成手法を開発し、日本のいくつかの流域における地震天然ダムのハザードマップを作成した。4.災害連鎖を考慮した新しいリスクの評価手法の提案 リスク評価における大地震による土砂災害連鎖を考慮する必要性を明らかにし、地震による堆積土石による土石流の発生時間および土石流の氾濫域および最大速度・衝撃力などの予測手法を開発した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 1件)
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