災害弱者の視点に立った減災システムと防災ユニバーサルデザインの開発

2012 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22310114
• 研究機関: 立命館大学
• 研究代表者: 伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
• 研究分担者: 里深 好文 立命館大学, 理工学部, 教授 (20215875) ; 野阪 克義 立命館大学, 理工学部, 准教授 (50373105) ; 酒匂 一成 鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (20388143) ; 北原 武嗣 関東学院大学, 工学部, 教授 (00331992) ; 小川 圭一 立命館大学, 理工学部, 准教授 (50303508) ; 崔 青林 立命館大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50585304) ; 大窪 健之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10252470) ; 八木 康夫 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80368000) ; 山田 あすか 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80434710)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2013-03-31
• キーワード: 地域防災計画・政策 / 災害弱者 / 災害時要援護者 / 避難誘導 / 都市環境 / 防災ユニバーサルデザイン / 観光 / マルチエージェント・シミュレーション

研究概要

従来の災害弱者対策は行政からのアプローチが主体であり，既に対策マニュアル整備も多くの自治体で進められている．ところが，災害弱者は情報獲得においても弱者であることが多く，これまでの情報提供型防災には効果の限界がある．自然災害発生数が年々増加し，発生状況が複雑化している現在，子ども，高齢者，障碍者，要介護・援護者，外国人，さらには帰宅困難者や観光客など，災害弱者の様相も複雑化している．本研究では，防災情報が例え届かなくても災害弱者の命を守れるような防災システムや，また特別な防災知識がなくても安全な避難を可能にするサインについて検討した．災害弱者のための(1)減災技術開発，(2)避難誘導計画の策定，(3)防災ユニバーサルデザイン，の３つのプロジェクトを立ち上げ，災害時のみではなく日常的にも利用できるシステムの開発を目的とした．減災技術開発に関しては，高齢者の多い地区や観光客の多い地区を対象に，図上訓練による要援護者施設の避難行動の特徴を明らかにし，より効果的な避難システムの構築を試みた．また，既存のフェンス付きブロック塀により，小規模な土石流をどの程度防ぐことができるのか，実験的な検討を行った．避難誘導計画に関しては，障碍者の災害時避難に関する意識と生活環境に関して，東日本大震災の前後においてアンケート調査を実施した．結果として，大震災の前後とも，回答者の半数程度は避難場所や避難場所までの経路を「決めていない」または「確認したことがない」と回答していた．災害時避難計画が義務づけられている集団生活の場においても，備えの不足が浮き彫りになった．また，災害弱者として観光客を対象とした研究も行い，適切な避難者分散をどう図るかが共通課題として挙げられた．防災ユニバーサルデザインに関しては，京都市の清水寺周辺地域を対象として，現状の課題を明らかにした上で新しいサインデザインの提案を行った．

現在までの達成度 (区分)

理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 地域で暮らす障碍者の災害時避難に関する意識と生活環境評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 堀光瑠
  • 雑誌名: 日本建築学会技術報告集 巻: 18-40 ページ: 1067-1072
  • 査読あり
• [雑誌論文] 史跡の保全に配慮した土砂災害対策 (2012)
  • 著者名/発表者名: 原田紹臣
  • 雑誌名: 歴史都市防災論文集 巻: 6 ページ: 133-140
  • 査読あり
• [雑誌論文] 清水寺周辺地域の降雨流出予測 (2012)
  • 著者名/発表者名: 速見智
  • 雑誌名: 歴史都市防災論文集 巻: 6 ページ: 105-110
  • 査読あり
• [雑誌論文] 京都市清水周辺地域における観光回遊行動の実態調査 (2012)
  • 著者名/発表者名: 崔青林
  • 雑誌名: 歴史都市防災論文集 巻: 6 ページ: 289-296
  • 査読あり
• [学会発表] 地域で暮らす障碍者の災害時避難に関する意識と生活環境評価 －東日本大震災前後の比較 その1－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 小川未来
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 北海道大学（北海道）
  • 年月日: 20130830-20130901
• [学会発表] 地域で暮らす障碍者の災害時避難に関する意識と生活環境評価 －東日本大震災前後の比較 その2－ (2013)
  • 著者名/発表者名: 前畑薫
  • 学会等名: 日本建築学会大会
  • 発表場所: 北海道大学（北海道）
  • 年月日: 20130830-20130901
• [学会発表] 津波災害時における防災弱者の避難経路選択に関する一検討
  • 著者名/発表者名: 岸祐介
  • 学会等名: 第26回信頼性シンポジウム
  • 発表場所: サンポートホール高松（香川県）
• [学会発表] 高低差を考慮した津波災害時の群衆避難における経路選択に関する一検討
  • 著者名/発表者名: 北原武嗣
  • 学会等名: 第32回地震工学研究発表会
  • 発表場所: 東京大学生産技術研究所（東京都）
• [学会発表] 交通容量を考慮した歴史都市における観光客の避難経路に関する検討
  • 著者名/発表者名: 小川圭一
  • 学会等名: 土木学会第67回年次学術講演会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 鎌倉市の津波発生時における避難行動解析に関する基礎的検討
  • 著者名/発表者名: 久保幸奨
  • 学会等名: 第67回土木学会年次学術講演会
  • 発表場所: 名古屋大学（愛知県）
• [学会発表] 歴史都市における観光客のための避難経路の抽出方法とその特性に関する研究
  • 著者名/発表者名: 小川圭一
  • 学会等名: 歴史都市防災シンポジウム'12
  • 発表場所: ひと・まち交流館（京都府）
• [学会発表] 観光地における防災ユニバーサルデザインに関する考察
  • 著者名/発表者名: 久能木慎治
  • 学会等名: 歴史都市防災シンポジウム'12
  • 発表場所: ひと・まち交流館（京都府）