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2012 年度 実績報告書

乳癌の個別化医療実現のための遺伝子異常の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22310123
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

細田 文恵  独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (30219191)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード乳癌 / リンパ節転移 / エクソンシークエンス / 遺伝子変異
研究概要

次世代シークエンス技術を用いて乳癌の遺伝子異常を探索し、個別化医療実現のための新規治療標的分子または診断マーカーの開発を目指す目的で、平成24年度に乳癌11症例トリオ(原発腫瘍、転移リンパ節腫瘍、非癌リンパ節)の全エクソンシークエンス(ターゲット領域50 Mb)を実施した。前年度までの成果により塩基配列変異予測プログラムを改良し予測精度を高めた解析手法を適用して、乳癌全14症例のスプライシング異常やアミノ酸置換を生じる塩基配列変異を抽出した。原発腫瘍、転移リンパ節腫瘍各々における遺伝子変異の特徴を調べ、乳癌のリンパ節転移に重要な遺伝子候補の絞り込みを行なった。
予測変異数は症例によって大きく異なり、症例当り最少34~最多1710(原発+転移リンパ節)であった。変異数中央値は、原発46 (26~676)、転移リンパ節37 (8~1034)、両者の共通変異数は7 (1~604)であった。共通変異保持率が高かったのは1症例のみ(原発腫瘍変異の89%を転移リンパ節で保持)であり、その他の症例では3~30%であった。この結果は乳癌腫瘍細胞の不均一性と転移能獲得における進展機構の多様性を示すものと考える。遺伝子サイズとランダムな突然変異出現率を考慮して、原発腫瘍と転移リンパ節腫瘍それぞれに特異的かつ重要と考えられるrecurrentな変異遺伝子を各々132個と189個ランキングした。
リンパ節転移は乳癌の予後不良と強く相関する。同一症例における原発腫瘍と転移リンパ節腫瘍の遺伝子変異比較はリンパ節転移機構の解明に重要であるとともに、早期に乳癌の悪性度を予測または悪性化を予防する医薬品開発に繋がる可能性がある。転移リンパ節腫瘍特異的に検出された重要性の高い変異遺伝子について、多検体(~50検体を準備)を用いた頻度観測を実施し、新規治療標的分子として同定を進める研究に発展させる計画である。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Whole-genome sequencing of liver cancers identifies etiological influences on mutation patterns and recurrent mutations in chromatin regulators2012

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Fujimoto
    • 雑誌名

      Nature Genetics

      巻: 44 ページ: 760-764

    • DOI

      10.1038/ng.2291.

    • 査読あり
  • [学会発表] Genetic variations in primary breast cancer and its metastatic tumor.2012

    • 著者名/発表者名
      Fumie Hosoda
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌(札幌市)
    • 年月日
      20120919-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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