研究課題/領域番号 |
22310126
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
別所 康全 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70261253)
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研究分担者 |
松井 貴輝 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (60403333)
中畑 泰和 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50390810)
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キーワード | 体節 / マウス / 時間制御 / Notch / 発生 / 生物時計 / 転写因子 |
研究概要 |
せきつい動物の体節形成をモデル系として用い、動的な生命現象のメカニズムの解明を目的として研究を行った。特に、生命現象の時間制御機構を明らかにすることと、時間制御を利用した形づくりの原理の理解を目指した。体節は周期的な分節化によって、等間隔パターンとして形成される。その過程で遺伝子発現の振動が時間情報を、拡散因子の濃度勾配が空間情報を担っていることがこれまでに明らかになっている。本研究では、遺伝子発現の振動が生物時計として働き正確なパターン形成をおこなうメカニズムに、物理量の定量的測定や情報科学的手法を実験生物学的手法と組み合わせることによってアプローチすることにより、振動の周期決定とロバスト性獲得のメカニズムに焦点を絞って研究を進めている。 これまでの研究で、我々はNotchシグナルが振動周期の調節に役立っていることを明らかにしている。我々はその周期調節のメカニズムが、細胞間の振動の同調性、および細胞集塊としての振動のロバスト性に寄与することを示唆するデータを得た。妊娠マウスへのバルプロ酸またはホウ酸の投与によって、野性型マウス胚では軽微な骨格異常が引き起こされるが、調節機能の低いNrarpノックアウトマウス胚では重度の骨格異常が引き起こされる。このことからNotchシグナル強度依存的な振動周期調節機構が細胞間の同調性に関与し、ロバストな体節形成機構に役立っていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、体節形成機構のロバスト性のメカニズム等を示しつつあるので順調に進展していると考えている。計画していた一部の遺伝子改変マウスについては、予想外の表現型がみられたので、遺伝子改変方法を修正してすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り研究を進める。 遺伝子改変マウス作製で予想しなかった表現型がえられた部分があるので、修正を加えながらすすめる。
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