研究課題/領域番号 |
22310127
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
澤崎 達也 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 准教授 (50314969)
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キーワード | カスパーゼ / 無細胞タンパク質合成 / プロテオリシス / タンパク質 / 切断 / プロテインアレイ / コムギ胚芽 / Alpha Screen |
研究概要 |
III.アルファスクリーと法によるカスパーゼ基質分子の同定 平成22年度の上記Iで作成したFlag-ビオチン化シグナル伝達経路プロテインアレイを、コムギ無細胞系で合成・精製したカスパーゼ6とカスパーゼ7切断される分子のスクリーニングをアルファスクリーン法による検出により行った。その結果、カスパーゼ6で切断される10種類の基質分子およびスパーゼ7で切断される20種類の基質分子を新たに見出した。そのうち10種類の基質は、カスパーゼ6とカスパーゼ7の両方で切断された。さらにそれら20種類の基質分子は、全てカスパーゼ3で切断された。 IV.新規分子の生化学的解析 1)切断断片の方向性の確認 上記IIIで同定されたヒトシグナル伝達経路分子のcDNAから、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を用いて組換えタンパク質を合成し、その反応液にカスパーゼを添加し、新たに同定された基質分子の切断を、イムノブロット法を用いた確認した。 2)切断部位の同定 新たに見出した基質分子はC末端がビオチン化されている。ビオチンがストレプトアビジンと強力に結合するという性質を利用し、ストレプトアビジンビーズを用陸て、切断されたC末側断片を回収し、アミノ酸シークエンサーにより分析することにより、簡易な切断部位の同定を行った。さらに、切断部位をアミノ酸置換した変異体を作成し、切断部位の同定を行った。 それらの結果、興味深いことに、カスパーゼ3で切断される部位と、カスパーゼ6もしくはカスパーゼ7で切断される部位が異なる基質分子を5種類見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおりにヒトシグナル伝達経路分子を対象に、カスパーゼ6, 7, 3で切断される分子の同定に構築に成功し、それらの切断部位を決定できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新たに同定したヒトシグナル伝達経路基質分子の細胞内での切断の確認を行う。
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