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2010 年度 実績報告書

気体分子・呼吸酵素複合体の結晶構造が明らかにする嫌気から好気呼吸への進化

研究課題

研究課題/領域番号 22310137
研究機関鳥取大学

研究代表者

永野 真吾  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60286440)

キーワード呼吸酵素 / 結晶構造 / 分子進化
研究概要

脱窒菌などは、酸素を使わず無機塩を利用する嫌気呼吸をおこなうことができる。脱窒を担う酵素群のなかで一酸化窒素を亜酸化窒素(N_20)に還元する膜タンパク質が一酸化窒素還元酵素(NOR)である。NORは好気呼吸の末端酸化酵素であるシトクロムcオキシダーゼ(CcO)とアミノ酸配列の相同性が見られることなどから、NORはCcOの祖先分子であるとみなされており、呼吸酵素の分子進化の観点からも興味深い。本研究ではNORやCcOの機能発現の鍵となる気体分子複合体の結晶構造解析から、呼吸機能の進化の仕組みを解明することを目的としている。平成22年度は、既に明らかにしたNORの構造に基づいて、分子動力学計算などの理論的な解析を行い、プロトンの供給経路の解明を目指した。その結果、結晶構造で見られた膜の内部から活性部位へつながるチャネルを通して、プロトンが移動可能であることを明らかとした。この結果は、これまで膜の外側からプロトンが供給されると示されていた生化学的な結果と一致しないため、NORの種類によってプロトン供給経路の多様性が見られる可能性を示すものである。さらに短寿命な気体分子NOR複合体が安定に存在すると期待される変異体K597Aを調製した。今後、この変異体の結晶化に取り組む。さらにこの変異体結晶と既に開発しているクライオガスサイターを用いて、気体分子とNORとの複合体の調整を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Structural Basis of Biological N_2O Generation by Bacterial Nitric Oxide Reductase2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Hino
    • 雑誌名

      Science

      巻: 330 ページ: 1666-1670

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Understanding substrate misrecognition of hydrogen peroxide dependent cytochrome P450 from Bacillus subtilis2010

    • 著者名/発表者名
      Osami Shoji
    • 雑誌名

      J.Biol.Inorg.Chem.

      巻: 15 ページ: 1331-1339

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗がん剤インドロカルバゾールの基本骨格を構築するP450 StaPの結晶構造解析と反応機構2010

    • 著者名/発表者名
      永野真吾
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      横浜国際会議場
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] 嫌気呼吸系の一酸化窒素還元酵素の構造と分子進化2010

    • 著者名/発表者名
      永野真吾
    • 学会等名
      第10回日本蛋白質科学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2010-06-17
  • [学会発表] シトクロムP450の多彩な機能発現の仕組みを構造から理解する2010

    • 著者名/発表者名
      永野真吾
    • 学会等名
      日本生化学会北海道支部講演会
    • 発表場所
      北海道大学理学部
    • 年月日
      2010-06-16
  • [図書] Handbook of Porphyrin Science2011

    • 著者名/発表者名
      Yoshitsugu Shiro
    • 総ページ数
      123-163
    • 出版者
      World Scientific
  • [備考]

    • URL

      http://www.bio.tottori-u.ac.jp/~bioeng/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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