構造活性相関研究より、MPIaseの脂肪酸部を酵素的に除去したPP-MPIaseやPP/P-MPIaseに膜挿入活性が見られている。一方、冷NaOH/MeOHや48%HFなどの化学的な加水分解条件により糖鎖を調製した場合には、O-Ac基も除去されるが、これには膜挿入活性が全く無いことから、O-Ac基は活性に必須と考えられる。従って、活性をもつ複合体を解析するためには、O-Ac基を保持したまま脂質部を効率よく除去する方法を検討する必要がある。そこで、天然MPIaseの加水分解を検討した結果、O-Ac基を保持した糖鎖部を調製する条件を見出した。 生合成経路を明らかにするため、前駆体候補物質を探索している。グルコサミンとジアシルグリセロール(DAG)のピロリン酸ジエステルを合成したところ、ホスファチジン酸に大腸菌ライセートを混ぜると、TLC上で本化合物と一致するスポットが得られることがわかった。MSによる生成物の確認を容易にするため、生合成中間体候補となるホスファチジン酸のDラベル体を合成した。市販のグリセリンアセトニド体を原料とし、1位のみにD化パルミチン酸を、2位には通常のパルミチン酸を縮合させた。リン酸化の後脱保護して目的物を得た。 MPIaseの糖鎖部は糖ヌクレオチドで伸長すると推定されるので、候補となる糖ヌクレオチドの合成を行った。Fuc4NAcの3位水酸基をメチル基でブロックすることで、その後の糖鎖伸長阻害も狙った。
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