• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

外来種がすみにくく在来種がすみやすい琵琶湖岸修復のための実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22310147
研究機関びわこ成蹊スポーツ大学

研究代表者

西野 麻知子  びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ科学部, 教授 (60237716)

研究分担者 井上 栄壮  滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00585268)
細谷 和海  近畿大学, 農学部, 教授 (10330242)
大野 朋子  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (10420746)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード生物多様性保全 / 外来種 / 在来種 / 地形修復 / 湿地
研究概要

水域における在来魚類や水辺植物の生育・繁殖環境を改善するため、琵琶湖周辺の湿地帯である「西の湖」で、2010年度に野外実験のための2種の工事を行い、2011-2012年度に効果検証のための調査を行った。
実験1では、コイ科等在来魚の繁殖環境改善のため、繁殖場である湖岸のヨシ帯をすき取り、緩やかな地形に修復する工事を行った。実験2では、実験1と同一場所および別の場所で土砂をすき取るとともに、別の場所では、すき取った土砂をさらに盛り土することで、すき取りや盛り土が、その後のヨシの生育に与える影響を明らかにするための工事を行った。
実験1では、実験地とその近傍に設けた対照地で調査したところ、2012年は実験地・対照地とも、外来魚のオオクチバスとブルーギル仔稚魚が前年より多く採集された。一方、実験地のコイ科卵、仔稚魚数は、対照地に比べて実験地でより多く採集された。実験地・対照地の両方に、人工産卵基質であるキンランを設置したところ、いずれもキンラン上でより多くのコイ科の卵・仔稚魚が採集された一方、外来魚仔稚魚はほとんど採集されなかった。これらの結果から、水際のヨシ帯の形状を緩やかな地形に修復することに加え、修復地に人工産卵基質を設置するなどの手段を併用することで、在来魚の繁殖環境をさらに改善できると考えられた。
実験2では、盛り土地ではヨシがすべて再生したが、すき取り地では、ヨシの発芽時期以前に地面が干出した場所のみでヨシが再生した。盛り土地、すき取り地ともにヨシの地下茎が存在していたことから、ヨシの再生には水位との関係が重要だと考えられた。すなわち、ヨシの再生を目指して地形改変を行う場合、ヨシの発芽時期に相当する期間に、ヨシ生育地が少なくとも一度は干出することが必要であるといえる。
これらの実験終了後、実験地の河川占有許可期間等が終了する2013年3月に現状復帰工事を行った。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 淀川流域におけるヨドゼゼラの分布域の退縮2012

    • 著者名/発表者名
      川瀬成吾・木村亮太
    • 雑誌名

      地域自然史と保全

      巻: 34 ページ: 13-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シーボルト標本に見る日本の水辺の原風景2012

    • 著者名/発表者名
      細谷和海
    • 雑誌名

      いのちの科学

      巻: 25(2) ページ: 224-230

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 南湖生態系の順応的管理方法に関する研究―2011年度水草除去実験および沿岸域における流れ藻と水草の分布状況―2012

    • 著者名/発表者名
      井上栄壮・永田貴丸・東善広・石川可菜子・西野麻知子
    • 雑誌名

      滋賀県琵琶湖環境科学研究センター研究報告書

      巻: 8 ページ: 15-24

  • [雑誌論文] Distributions of two ectosymbionts, branchiobdellidans (Annelida:Clitellata) and scutariellids (Platyhelminthes: “Turbellaria”:Temnocephalida), on atyid shrimp (Arthropoda: Crustacea) in southeast China2012

    • 著者名/発表者名
      Ohtaka, A., S.R. Gelder , M. Nishino, M. Ikeda, H. Toyama, Y.-D. Cui, X.-B. He, H.-Z. Wang, R.-B. Chen and Z.-Y. Wang
    • 雑誌名

      Journal of Natural History

      巻: 46 ページ: 1547-1556

    • DOI

      10.1080/00222933.2012.692826

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Late season biodiversity of aquatic fauna in paddies and irrigation ponds of Okayama Prefecture2012

    • 著者名/発表者名
      Ito, T., Horii, Y. and Yokoi, T.
    • 雑誌名

      Biogeography

      巻: 14 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 近畿大学バスバスターズによる外来魚駆除の取り組み2012

    • 著者名/発表者名
      小西雅樹・北川哲郎・濱野 陽・細谷和海
    • 雑誌名

      近畿大学農学部紀要

      巻: 45 ページ: 241–249

    • 査読あり
  • [学会発表] 湖岸域の土地切り下げおよび盛り土がヨシ群落の再生に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      大野朋子・前中久行・井上栄壮・西野麻知子
    • 学会等名
      第52回日本雑草学会
    • 発表場所
      京都大学、京都市
    • 年月日
      20130413-20130414
  • [学会発表] Restoration Experience in Lake Biwa

    • 著者名/発表者名
      Machiko Nishino
    • 学会等名
      Forests, Waters, and Communities in Asia
    • 発表場所
      Bard College, NY, USA
    • 招待講演
  • [学会発表] 地形修復による在来淡水魚の繁殖環境回復実験ー2年目の成果ー

    • 著者名/発表者名
      西野麻知子・井上栄壮・辻野寿彦・川瀬成吾・細谷和海・大野朋子・前中久行
    • 学会等名
      第50回日本生態学会大会
    • 発表場所
      グランシップ静岡、静岡市
  • [学会発表] 地形修復による在来魚類の繁殖環境修復実験―2年目の成果―

    • 著者名/発表者名
      西野麻知子・井上栄壮・辻野寿彦・川瀬成吾・細谷和海・大野朋子・前中久行
    • 学会等名
      第55回魚類自然史研究会
    • 発表場所
      敦賀市男女共同参画センター 、敦賀市
  • [図書] Lake Biwa: Interactions between its Nature and People2012

    • 著者名/発表者名
      Kawanabe, H., M. Nishino and M. Maehata
    • 総ページ数
      744
    • 出版者
      Springer
  • [図書] 琵琶湖の昆虫誌2012

    • 著者名/発表者名
      西野麻知子
    • 総ページ数
      pp.124-129
    • 出版者
      東海大学出版会

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi