研究課題/領域番号 |
22310150
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
代田 智明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60154382)
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研究分担者 |
谷垣 真理子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (50227211)
伊藤 徳也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (10213068)
石井 剛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (40409529)
岩月 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80313162)
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70190923)
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キーワード | 中国 / 戦後日本 / 中国研究 / 中国認識 / 日中関係 / 日本社会 / 聞き取り調査 |
研究概要 |
本プロジェクトは、第二次世界大戦後の日本でどのように中国が認識されたのかを、中国研究の動態を通じて考察する。戦前の中国研究を題材にして日本の中国認識を論じた業績はあるが、戦後については、世論調査を利用した研究をのぞけば、戦後の中国認識を包括的に扱った業績は思いの外少ない。中国認識を検討することは、日本社会が内包する問題点を検討することにもつながる。中国研究という「鏡」によって、自己を再照射することは、閉塞感のある日本の状況に対して、新たな可能性を示唆することにもなる。 本年度は主に戦後直後から1970年代までに焦点をあてた。この時期は毛沢東時代と対応し、日中間では一部の民間交流をのぞけば、交流がほぼ断絶状態にあった。中国研究者は中国大陸の土地を踏むことはできず、アクセス可能な「中国」は台湾と香港であった。本プロジェクトメンバーは歴史・言語・文化芸術・思想哲学・社会・経済の各研究グループに分れた。研究会は年3回行われ、メンバーは各分野における研究と中国認識について分析を試みた。 班研究と並行して、先行プロジェクトである台湾の石之瑜プロジェクトと同じく、戦後日本における中国研究について聞き取り調査を行った。調査の対象は、石プロジェクトでとりあげられなかった人文系が中心であり、中国古典文学の竹田晃氏と中国哲学の戸川芳郎氏、中国祭祀演劇研究の田仲一成氏に対して聞き取り調査を行った。インタビュー記録はすでに文章化され、校閲作業も進んだ。どのように中国研究を志すようになったかは、三者三様であったが、中国研究と中国認識のありようが戦後日本の社会と思想状況を色濃く反映していたことが確認された。なお、当初、招聘を予定していたクリスティーン・ラマール(フランス社会科学高等研究院)氏は学科主任としての業務多忙のため、来日を次年度に延期することとなった。
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