研究課題/領域番号 |
22310158
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
坪内 暁子 順天堂大学, 医学部, 助教 (10398662)
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研究分担者 |
奈良 武司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40276473)
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
内藤 俊夫 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10365570)
大槻 公一 京都産業大学, 先端技術研, 所長 (00032293)
重松 美加 国立感染研究所, 感染症情報センター, 主任研究員 (20299598)
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キーワード | 情報マネジメント / 若年層 / 感染症教育 / ハイリスク・グループ / 国際比較 |
研究概要 |
23年度は、22年度の結果から、独自の判断で行動するようになる義務教育課程の中学生に研究のターゲットを絞って、アンケート内容を変えるなどし、知識や情報源に関する設問を中心に修正をかけ、台湾の公立中学、日本人学校、日本の公立中学、中華学校に向け再調査を実施する計画であり、2011年3月末に研究発表を兼ねて研究打合せを実施予定であったが、震災・原発の影響によって、特に海外の共同研究者からの協力が得にくい状況となった。さらに、台湾と東京の教育機関でのアンケート調査も震災関係でカリキュラムの問題として容易ではなくなったため、当初の計画を変更した。現在は既存データの再分析を実施中であるが、1)知識があると回答している者であっても記述欄には無回答、もしくは間違って記載している場合が多い、2)高病原性と低病原性のリスク、それに伴う対策面で正しく理解していない場合が多い、3)正しく理解していても蔓延につながるハイリスクな行動をとる場合があることなど様々なパターンがあることが判明している。 この結果を踏まえて、有効な教育手法として、講義等でKEEPAD Japanの教育機器(Turning Point RF)を用いるTest調査を実施したところ、設問内容や回答形式の検討と併せて、知識の浸透のために効果的であることが予想されるため、24年度はこの機器を用いて、日本と台湾等において、再度調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)2009年に発生・流行したPandemic(H1N1)2009によって、新型インフルエンザという名前と基本情報(知識)は一般国民にも広まったが、専門家の間で発生が危惧されている研究のターゲットとしているのH5N1型のような高病原性の新型インフルエンザとの差異や被害の状況等を同等に考えているなど、情報(知識)面のマイナスの影響が大きいため、調査の時期を後ろに延ばしたこと、2)昨年の震災並びに原発の影響で、国際比較研究の核となる国内外での調査並びに研究打合せを実施することが困難であったこと等が主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の国際比較調査は、有効な教育手法の候補としてKEEPAD Japanの教育機器(Turning Point RF)を用いる以外に、知識の修得度を測れるような形での回答方法を取り入れ実施する。国のH1N1型での対策の反省を含めたH5N1型等高病原性の新型インフルエンザ対策は、震災・原発対応でほぼ停まったままであったが震災前後にもH5N1型等深刻な被害が予想される高病原性鳥インフルエンザの鳥への被害報告はあった。スマトラ沖そして今回の東日本での地震に伴う津波の二次的被害としての季節性インフルエンザ等感染症の蔓延の状況も参考に、東北の津波対策教育のような、自分で考えリスクを評価し行動を決定できるような教育方法を目標に再度研究計画を見直し進める予定で、5月に分担者・台湾の共同研究者を招いて研究打合せを実施する.
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