研究課題/領域番号 |
22320001
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
西山 雄二 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (30466817)
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研究分担者 |
大河内 泰樹 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 准教授 (80513374)
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 講師 (80552207)
宮崎 裕助 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40509444)
齋藤 渉 大阪大学, 言語文化研究科, 准教授 (20314411)
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キーワード | 哲学 / 教育 / 大学 / 哲学教育 / 啓蒙 / 教養 / フランス:ドイツ:アメリカ |
研究概要 |
平成23年度は、1)ドイツ、フランス、アメリカ各班に分かれて研究活動を展開し、過去の哲学者たちが大学の全体像や教育の理念、学問の可能性をいかに構想したのかについて考察を深めた。ドイツ班によって、12月3日に公開ワークショップ「哲学と大学II」が一橋大学で開催され(共催:一橋大学国内交流セミナー補助事業)、阿部ふく子(東北大学)氏に発表「<自ら考えること>と<教養形成>をつなぐ哲学教育ドイツにおける哲学教授法(Philosophiedidaktik)の展開から」をお願いした。阿部氏は1999年に設立された「哲学。倫理学教授法フォーラム」の取り組みを具体的に紹介しつつ、哲学教育をめぐる論点を具体的に浮き彫りにした。また、2)映画『哲学への権利』の上映と討論会が、ドイツのフンボルト大学やライプツィヒ大学、イギリスのロンドン大学バーベック校やゴールドスミス校、上智大学、九州産業大学、神田外国語大学など、国内外でのべ13回開催された。ドイツとイギリス、日本国内の各大学において、人文学の異なる現状と問題点が浮き彫りになり、今後の研究連携に向けた交流が深まった。そして、3)今年度も哲学・教育・大学に関する国際会議への参加がきわめて活発だった。ドイツ・ボッフム大学およびヴッパータール大学での「哲学の制度」、九州産業大学での「制度と運動」、イギリスでの「フクシマ以後の人文学」、ユネスコの国際会議「学校における機会の平等いかなる平等?」、フランス・国際哲学コレージュでのセミナー「哲学の(非)理性的建築物としての大学」である。国際会議の参加を通じて深められた研究交流は、最終年度の成果公表のための大きな礎となった。以上、本年度は本事業にとって大きく飛躍した年となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は、計画していた以上に、哲学・教育・大学に関する国際会議への参加が増加し、予算が大幅に不足した。ドイツ・ボッフム大学およびヴッパータール大学での「哲学の制度」、九州産業大学での「制度と運動」、イギリスでの「フクシマ以後の人文学」、ユネスコの国際会議「学校における機会の 平等いかなる平等?」、フランス・国際哲学コレージュでのセミナー「哲学の(非)理性的建築物としての大学」である。予算の不足をやり繰りする点で経済的な支障が出たが、中・長期的な国際的学術交流を深化させた点ではきわめて大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、最終年度の主目的は、研究成果を論集『人文学と制度』(未來社)として公刊することである。執筆者への原稿依頼は終了しており、2013年1-2月の刊行を目指している。国際的な活動としては、7月にカリフォルニア大学での国際会議Derria Today、2月にアイルランドでの国際会議「デリダと教育」、3月末にパリ・国際哲学コレージュでのセミナー開催などが予定されている。国内では、10月にフランス高校教員数名とともにフランスの哲学教育に関するワークショップ、12月にZoran Dimic氏(セルビア、ニッシュ大学)による講演会、2月に科研費の分担者全員による最終的な研究会が予定されている。
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