研究課題
2回の公開研究会を開いた。1 第1回研究会「十七世紀とスピノザの傷痕」〔スピノザ協会と共催、2010年ll月27日(土)東京大学駒場キャンパス)ではスピノザと同時代の哲学者マルブランシュ、ピエール・ベール、ジョン・トーランドらのスピノザ論駁を検討した。彼らの論駁はスピノザ哲学との格闘というよりはむしろ、神学政治論的論争状況における自説の展開のための方便という性格が強いことが明らかとなった。発表は次のとおり:渡辺博之マルブランシュのスピノザ批判/三井吉俊ピエール・ベールのスピノザ反駁について/大橋完太郎スピノザ哲学への唯物論的批判:ジョン・トーランド『セレナへの手紙』を中心に2 第2回研究会「ライプニッツとスピノザ、十八世紀へ」(日本ライプニッツ協会・スピノザ協会との共催011年3月5日・6日大阪大学文学部)ではライプニッツのスピノザ哲学受容を検討した。初期思想形成におけるスピノザ哲学への傾倒と離反という強いアンビバレンツが明らかとなった。キリスト教護教論というイデオロギー的対立にとどまらない形而上学上の深刻な対決をライプニッツが強いられていたことが浮かび上がってきた。発表と提題は次のとおり:清水洋貴ライプニッツとスピノザの接触と分岐-「観念」をめぐって-/橋本由美子ライプニッツにおける所有-ドゥルーズ『襞』に定位して/町田-ライプニッツの聖書解釈論/松田毅ライプニッツはスピノザと出会う前からライプニッツだったのか/鈴木泉ライプニッツはスピノザ哲学の何に惹かれ、何を恐れたのか?
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スピノザーナ
巻: 11(印刷中 未定)
ライプニッツ研究
巻: 1 ページ: 115-134
Fichte-Studien
巻: 35 ページ: 329-337
Leibniz und die Entstehung der Modernitat. Studia Leibnitiana Sonderheft
巻: 37 ページ: 101-110