研究課題/領域番号 |
22320010
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研究機関 | 名古屋文理大学 |
研究代表者 |
山田 弘明 名古屋文理大学, 情報文化学部, 教授 (40106258)
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研究分担者 |
香川 知晶 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (70224342)
小泉 義之 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (10225352)
持田 辰郎 名古屋学院大学, リハビリテーション学部, 教授 (30200330)
倉田 隆 島根大学, 法文学部, 教授 (30242994)
武藤 整司 高知大学, 人文社会教育科学系, 教授 (50243811)
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キーワード | デカルト / 往復書簡 / 全訳 / イタリア語訳 |
研究概要 |
平成23年度の目標は二つあり、第一巻を出版すること、他の諸巻の70%を仕上げることであったが、それはほぼ達成された。すなわち、第一巻については研究成果公開促進費が認められ、2012年1月に知泉書館より出版された。このプロジェクトの最初の成果であり、他の巻の模範となるべきものである。他の諸巻についても、ほぼ順調に訳業が進捗している。全体の作業工程表を作ってそのプロセスを可視化したことが奏功している。担当者間の研究部会も活発であり、12月に第8巻の研究部会(蒲郡市)が、1月に第5巻(焼津市)が開催された。 昨年度のハイライトは、9月にイタリア人学者を招聘して名古屋でシンポジウムを開催したことであった。サレント大学教授G.ベルジョイオーゾ、同I.アゴスティーニの2名であり、かれらは書簡集のイタリア語版の中心となった人たちである。書簡集の問題点、翻訳の困難さなどで意見交換できたのはきわめて貴重な機会であった。本プロジェクトのメンバー20名ほどが一堂に会したのも大きな成果であった。 本プロジェクトには、研究アドバイザーとして2名のフランス人に加わって、もらっている。研究代表者は、リヨン第二大学のD.レノー教授と、パリ第一大学のD.カンブシュネル教授と研究打ち合わせをして、いずれも有益な示唆を得た。 これらの実績を踏まえ24年度の完訳を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全8巻のうち、第1巻は予定通り出版された。それ以外の巻についても、初期の許画にしたがってほぼ順調に進行している。 すなわち、第2巻、第5巻は現時点で原稿が出そろい、達成度は90%である。第4巻、第6、第8巻も順調に訳出作業が進んでおり、70%の完成度である。ただ、第3巻と第7巻はやや遅れている。第7巻については、訳の分担を再編成するなどしてやや出遅れており、現在まだ50%程度しか進んでいない。第3巻のみは、内容が哲学だけでなく、数学・物理学・医学・光学と多岐にわたっており、新たに専門の訳者を選定するなどで時間を要している。今のところ30%の達成である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、9で述べた「作業工程表」にしたがって研究の推進を図る予定である。 すなわち、第3、第5巻は9月に完全原稿を本屋に提出する運びとなっている。第4巻、第6、第8巻は9月に最初の原稿を仕上げ、来年3月末には最終原稿を本屋に渡すことになっている。 第3巻と第7巻は上述の理由でやや遅れている。第7巻については、来年3月までには第一原稿を仕上げる予定である。第3巻のみは、残念ながら今年度中の完成は無理だと思われる。完成は来年7月を予定している。こうした遅延について、研究代表者は古典の翻訳には時間が必要であると考えており、無理に急がせないように配慮している。
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