研究課題/領域番号 |
22320011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 秀一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80190586)
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研究分担者 |
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
大野 晃嗣 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50396412)
熊本 崇 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00153354)
渡辺 健哉 東北大学, 大学院・文学研究科, 専門研究員 (60419984)
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キーワード | 登科録 / 会試録 / 郷試録 / 挙業書 / 明代思想史 / 明代社会史 / 副榜 |
研究概要 |
本年度の主な活動は、中国における明代科挙文献学の研究者である陳長文氏(魯東大学副教授)を招いて応用科挙史学研究会の研究集会を開催したことと、中国・寧波で開催された「科挙与科挙文献国際学術研討会」に参加して学術発表をおこなったことである。応用科挙史学研究会のプログラムは、9月24日開催の第7回研究集会「明代科挙学各論(社会と制度篇)」が、大野晃嗣「明代中期の社会と監生」、三浦秀一「明代中期の郷試考官と「副榜挙人」」、陳長文「明代教官進士登科考論」であり、9月25日開催の第8回研究集会「明代科挙学各論(人物と文化篇)」が、渡辺健哉「元・明代における挙業書の展開」、三浦秀一「郷試考官としての林光と王守仁」、鶴成久章「朱舜水の語った明代科挙」であって、報告者それぞれが、近刊の科挙関連史料などを駆使しつつ、従来、等閑視されてきた観のある明代科挙制度文化史の諸側面を明らかにした。また12月20日に開催の国際学術研討会においては、三浦が「郷試考官林光と明代中期の副榜合格者」、大野が「景泰天順両朝の政権運営と科挙」、鶴成が「天一閣「明代登科録」大型蔵書の謎」、渡辺が「宋より明にいたる科挙受験参考書の展開」と題する報告を中国語でおこない、それぞれの主題に応じて、同学会に参加した中国人研究者と意見を交換した。本科研が推薦した東北大DC生の水盛涼一も「清末官員考試制度小論」と題する報告をおこなった。以上の研究集会において三浦が解明した明代中期の「副榜挙人」という存在は、会試のいわば次点合格者であるのだが、当該時代では、エリート教官であり且つ郷試主考官の候補者として注目された人びとであり、三浦によるこの知見は、従来の「副榜」即会試下第者という理解が通時代的に適用されうるものではないことを示すものである。
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