研究課題
初年度の前半は、本研究を始めるに当たって作業基盤とすべく、これまでの東西にわたる啓蒙研究をまとめることに集中した。(『啓蒙と東アジア』に各論文を集成、2010年12月刊行、個別タイトルは研究成果欄を参照)。そのうえで次年度7月にグラーツで開催される国際18世紀学会のラウンド・テーブルの準備として、韓国18世紀学会から6名の共同研究者を招き、2011年2月に名古屋大学で予備セッションを行い、相互に調整を行った。その結果、公共知に関するものと、大会の共通テーマである「時間」の2つのラウンド・テーブルを日韓共催で行うこととし、共同研究を継続している。そのほかの個別の取り組みとして、以下の活動を報告する。フォヴェルグ・クレールは公共知と百科全書的知識を比較し、『百科全書』の公共性を確認し、百科全書派による公共知の原理定義を研究し、明らかにした。大石は、18世紀イギリスにおける公共知の形成を女性と公共圏との関係から考察し、教育と消費文化の中にもジェンダーの問題が絡まることで錯綜した知の流通が発生した過程を明らかにした。伊東は、17~18世紀の中国における政治思想や倫理観について、そこにおける公共性や共同性に関わる理念や政策論を中心に、比較史的・比較思想的な観点をも加味しつつ、考察や研究を進めた。また、現代中国の社会や文化に関する論攷においても、その原型が、17~18世紀の清朝国家の時点で、民族的な問題をはじめ、さまざまな意味で、既に多くの要素が胚胎していたとの見通しにもとづいて、考察を加えた。玉田は、啓蒙期フランスの学校教育による「公共知」の形成について、18世紀初頭に成立した「17世紀後半のフランス文学を<模倣すべき古典>とする新しい修辞学」の分析を通して明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (25件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (13件) 図書 (7件) 備考 (3件)
東洋の思想と宗教
巻: 第28号 ページ: 16-42
前近代における東アジア三国の文化交流と表象-朝鮮通信使と燕行使を中心に-
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金城学院大学論集(人文科学編)
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ラスキン文庫たより
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Empires eloignes L'Europe et le Japon (XVI^e-XIX^e siecle
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Jacques Proust pedagogue
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福山市立女子短期大学紀要
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平成17~21年度文部科学省科学研究費補助金・特定領域研究『東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成-寧波を焦点とする学際的創生-』〔領域代表・小島毅〕研究成果報告書・第一巻(共著)
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『思想与文献-日本学者宋明儒学研究』(共著)(呉震・吾妻重二主編)(華東師範大学出版社)
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『「東アジアにおける知的体系の再構築:日本と中国の視座」国際シンポジウム("中日視野下的東亜知識体系構建"国際学術研討会)会議論文集』(共著)、南京大学人文社会科学高級研究院・人間文化研究機構国際日本文化研究センター
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ライプニッツ研究
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化学史研究
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