研究課題
近年ドラスティックに変貌しつつある「アート」「藝術」の現状を、コンテンポラリーダンスについて具体的に探り、あらたな芸術論構築の礎石にするのが本研究の目的である。そのために、平成22年度は、(1)各国のコンテンポラリーダンス上演実態を把握するためのデータベース作成を開始し、(2)イスラエルや香港、フランスなど関連各地において上演実態調査をおこない、また、スペイン、ポーランド、スロヴァキア、中国、ドイツ、イギリス、フランス、イスラエルなどの関係者にヒアリングをおこなった。(3)同時に、各国の助成体制や、構築されつつあるグローバルシステムとの関連において、コンテンポラリーダンスの作品や作風、作家の特性などがどのように変化しているかを調査し、(4)コンテンポラリーダンスと制度、世界システム、歴史システムとの関連に関する理論的考察を開始した。さらにまた、助成団体関係者や文化財団法人保護関係国際法規研究者、さらに、イスラエルのダンス研究者を中心に、それぞれ(国際)研究集会をひらき、意見交換と調査結果発表の機会を設けた。こうした調査の結果、(1)当初の想定を大いに超えた範囲にコンテンポラリーダンスが浸透し、ポーランドやインドにまでコンテンポラリーダンスのフェスティバルがあること、(2)ヨーロッパ30数力国を結ぶ関連の国際ネットワークが構築されていること、(3)従来、ヨーロッパ中心的であったコンテンポラリーダンスの美学に「新興国」に由来する新たな枠組みが生まれかけていること、などがわかったのは望外の成果であった。
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現文研
巻: 87 ページ: 69-84
現代詩手帖
巻: 53巻9号 ページ: 102-105
文学
巻: 11巻6号 ページ: 19-32
ダンスマガジン
巻: 2010年9月号 ページ: 70
美術の窓
巻: 323 ページ: 36-37
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