研究課題/領域番号 |
22320030
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
益田 朋幸 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70257236)
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研究分担者 |
浅野 和生 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80167890)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 西洋美術史 / ビザンティン美術 / 聖堂装飾プログラム / キリスト教図像学 / コソヴォ / マケドニア / セルビア |
研究概要 |
多様な文化・宗教が混淆して発展したバルカン半島中部において、美術・建築の相互影響、移行の問題を具体的に考える。今年度はコソヴォ、セルビア、マケドニアの3国のフィールドワークを実施するとともに、文化的な源泉と考えられるコンスタンティノポリス(イスタンブール)の調査も行なった。 ローマ/初期キリスト教都市が、そのまま中期ビザンティンに移行した例は、当地にはあまり見られない。ストビやヘラクレイアはビザンティン時代には捨てられた。例外はオフリドであるが、初期キリスト時代の遺跡(アクロポリス)と、中期ビザンティンの居住域は少し離れている。 イスラーム建築については、プリズレン(コソヴォ)のシナン・パシャ・モスクが好例である。ビザンティン建築を咀嚼して、イスラーム独自の抽象性に富んだデザインを加えた、優れた建築であった。 ビザンティンの聖堂装飾プログラムについては、調査対象の壁画は14,15世紀に集中する。単廊式バシリカが多数建立される一方で、大型の聖堂/修道院が要所に建てられた(グラチャニツァ、デチャニ等)。キリスト受難伝の充実とともに、聖母伝サイクルの確立、旧約の予型論的主題によって聖母を表象する主題の多様化、等が特色として挙げられる。 特に二人組の画家ミハイルとエウティキオスの画業に注目したい(ストゥデニツァの「王の聖堂」、オフリドのパナギア・ペリブレプトス、スタロ・ナゴリチャネ、プリレプのボゴロディツァ・リェヴィシュカ、バニャニの聖ニキタ)。西欧(イタリア)の影響を濃厚に受けながら、後期ビザンティン世界に新たなプログラムをもたらし、その影響はグラチャニツァやデチャニ等広範に及んでいる。彼らの行なった革新に関する論文を複数執筆した。しかし彼らのプログラムは、首都のコーラ修道院とはいくつかの点で大きく異なっている。この理由の解明は、引き続いて行ないたい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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