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2011 年度 実績報告書

‘認識'と‘構築'の自然の風景像―21世紀の風景論

研究課題

研究課題/領域番号 22320031
研究機関立命館大学

研究代表者

仲間 裕子  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70268150)

研究分担者 岡部 由紀子  京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (10281495)
六人部 昭典  実践女子大学, 文学部, 教授 (30239470)
米村 典子  九州大学, 芸術工学部, 准教授 (30243976)
加藤 磨珠枝  立教大学, 文学部, 准教授 (40422521)
前田 茂  京都精華大学, 人文学部, 准教授 (80368042)
キーワード美術史 / 美学 / 21世紀の風景論 / 自然とアルテファクト / 自然環境論 / 公共芸術 / 間文化的研究 / 風景の構築
研究概要

2011年度は、10月に国際シンポジウム「21世紀の風景表象-風景の構築と自然の認識」(於:立命館大学、主催:立命館大学国際言語文化研究所、後援:美学会)を開催した。当シンポジウムは、芸術が対峙した時代の自然意識を解明し、作品が主張する自然概念を析出する試みで、それぞれの歴史・文化、アイデンティティを顧慮する国際的な共同研究として、差異の認識に基づきながら、グローバル化した自然問題とかかわる新たな風景論を模索した。発表者と各報告:ゲイル・レーヴィン(ニューヨーク市立大学)「ジャクソン・ポロックとリー・クラズナー、自然の新概念」、ハンス・ディッケル(エアランゲン=ニュルンベルク大学)「自然とテクノロジーが結ぶ芸術作品)、〓成紀(北京師範大学)、「中国美学の農耕文化的特性と景観表現」、クリスティーナ・ヴィルコシェフスカ(ヤギェウォ大学)「風景と環境」。各発表後に、シンポジウムのテーマについてパネルディスカッションが行われた。2012年2月に国際シンポジウムの継続として、国際フォーラム「風景の美学:伝統と現代」(於:立命館大学)が開催され、潘示番(佛光人文社会学院)「概念とイメージ-中国の伝統的風景画から近代風景画まで-歴史的考察」、アダ・ラエフ(バンベルク大学)「コンテンポラリーアートと風景の国民的コード」、ジャレ・エルツェン(中東工科大学)「美学と美:自然と芸術における形と意味」の招聘研究者と山内朋樹(日本学術振興会特別研究員)「第三風景-ジル・クレマンにおける風景と環境」、田村剛(立命館大学社会学研究科博士課程)「風景の錯綜体としての"私の風景"」の若手研究者による、発表とディスカッションを実施した。また、研究代表者の仲間裕子は、9月にドイツ、ベルリンのライマー出版社からCaspar David Friedrich und die Romantische Tradition,Moderne des Sehens und Denkensを刊行し、ポーランドとトルコでの国際学会、およびドイツのアルフリート・クルップ高等研究所で本研究テーマによる招待講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の主要目的である間文化的共同研究および調査は、昨年度の国際シンポジウムと国際フォーラムの開催によって、多くの成果を得た。シンポジウム、フォーラムの内容は、立命館大学国際言語文化研究所紀要に掲載され、国際美学会や台湾美学会でも紹介される予定である。また、研究代表者(仲間裕子)の風景論に関するドイツでの著書出版も含めて、本研究の国際的発信は順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

本研究は、2013年(2014年)の出版(編者予定:ハンス・ディッケル、仲間裕子)を目指しており、それに向けて今年度、来年度は、成果の整理を含めて研究の最終段階へ入る。今年度は研究代表者と分担者の国際美術史学会での発表を予定するほか、国内での研究会も複数回企画しており、哲学・文学・政治を含め、専門領域を越えた風景論の知見を深める。また、若手研究者の研究を重視し、研究会での報告と研究交流を予定している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「印象」と筆触2012

    • 著者名/発表者名
      六人部昭典
    • 雑誌名

      実践女子大学美学美術史学

      巻: 26 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Max Beckmann 'Ueber die Malerei'全訳2012

    • 著者名/発表者名
      岡部由紀子
    • 雑誌名

      京都外国語大学・ドイツ語学科紀要Bruecke

      巻: 14巻 ページ: 61-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岡鹿之助とジョルジュ・スーラ2011

    • 著者名/発表者名
      米村典子
    • 雑誌名

      美術フォーラム21

      巻: 23 ページ: 106-109

  • [学会発表] 風景の眺め方と絵画空間の関係-ベックマンの海景画を手掛かりに-2012

    • 著者名/発表者名
      岡部由紀子
    • 学会等名
      科研主催国際フォーラム・研究会
    • 発表場所
      立命館大学(京都府)
    • 年月日
      2012-02-18
  • [学会発表] フリードリヒの自然観における調和と乖離、および現代美術2011

    • 著者名/発表者名
      仲間裕子
    • 学会等名
      今日のヨーロッパのロマン主義研究の展望
    • 発表場所
      アルフリート・クルップ高等研究所、グライフスヴァルト(ドイツ)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-25
  • [学会発表] 現代美術における自然と風景-日本と西洋における比較的視点2011

    • 著者名/発表者名
      仲間裕子
    • 学会等名
      芸術・デザイン理論と美学についての国際シンポジウム
    • 発表場所
      アンタルヤ大学、アンタルヤ(トルコ)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-19
  • [学会発表] 近くて遠い風景2011

    • 著者名/発表者名
      仲間裕子
    • 学会等名
      美学と文化(第1回ポーランド-日本カンファレンス)
    • 発表場所
      ヤギェウォ大学、クラクフ(ポーランド)(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-24
  • [図書] イメージ(下)イメージと私たち2012

    • 著者名/発表者名
      前田茂、要真理子
    • 総ページ数
      118
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] Caspar David Friedrich und die Romantische Tradition, Moderne des Sehens und Denkens2011

    • 著者名/発表者名
      Yuko Nakama
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      Reimer Verlag, Berlin
  • [図書] イメージ(上)イメージとは何か2011

    • 著者名/発表者名
      前田茂、要真理子
    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2013-06-26  

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