研究課題/領域番号 |
22320035
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永田 靖 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80269969)
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研究分担者 |
毛利 三彌 成城大学, 名誉教授 (10054503)
瀬戸 宏 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80187864)
市川 明 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00151465)
鈴木 雅恵 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (70268291)
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キーワード | アジア / ポストコロニアル / インターカルチャー / アイデンティティ / インターアジア |
研究概要 |
今年度は2回の国際研究集会と1回の国際集会を開催した。2010年7月26日に国際演劇学会ミュンヘン大会において、研究代表者がInter-Asian Theatreをテーマに、分科会Asian Theatre Working Groupを開催した。代表者永田と研究分担者毛利が口頭発表した。また2011年2月27日にInternational Comparative Research Meeting of Asian Theatres."Interaction of Tradition and Modernaization"をテーマに、台北、香港、マレーシアから演劇研究者を招聘し、国際研究集会を大阪で開催した。ミュンヘンにおいては、アジア演劇の異文化交流性について議論がされ、現代アジア演劇において国家的な範疇で演劇を捉えることの限界を浮き彫りにされ、異文化の交流を土台に演劇を多元的に理解する方法論の確立の必要が求められた。また大阪集会においては、台北、香港、マレーシアのそれぞれの現代における伝統演劇の有り方が議論されたが、それぞれの民族のアイデンティティを演劇がどのように表象しているのかに焦点が絞られたが、民族的なアイデンティティを必ずしも示すのではない例も提示され、アジア演劇の問題の一端を明らかにすることができた。また国内研究会では、2010年10月23日に日本演劇学会分科会の近現代演劇研究会の場を借りて、研究集会を開催した。研究分担者瀬戸が日本演劇の中国と韓国との受容の違いを議論する発表を行った後、全体討論を行った。日本演劇が東アジアにおいてどのように受容されたかという違いを明らかにしたばかりではなく、アジア演劇の比較研究は、漢字文化圏のみを対象とするかどうかという本質的な問題にも照明をあてることになった。これらの成果は次年度以降に持ち越してさらに深い議論を展開することとした。
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