研究課題/領域番号 |
22320035
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永田 靖 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80269969)
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研究分担者 |
毛利 三彌 成城大学, その他, 名誉教授 (10054503)
瀬戸 宏 摂南大学, 外国語学部, 教授 (80187864)
市川 明 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00151465)
鈴木 雅恵 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (70268291)
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キーワード | 近現代演劇 / アジア / 伝統と現代 / グローバリゼーション / ポストコロニアル演劇 |
研究概要 |
2011年度は、国際演劇学会IFTR(8月7日~12日)を開催し、その中でパネルディスカッションAsian Theatre : Diasporic Asian Traditional Tkeatre(8月11日)を組織して、アメリカ、日本、ポーランドにおけるアジアの伝統演劇の展開の歴史や理論、現代の問題点を議論し、多くの聴衆を集めた。また研究分担者の毛利はこの国際会議で基調報告を行い、同じく研究分担者鈴木もこの国際学会でフィルム・セッションを組織し、研究発表を行った。またそれに先立つ5月20日~25日には、同じ日本学術振興会組織的な若手研究者等海外派遣プログラムにおいて5名の演劇学大学院生を国立台北藝術大学で開催された「台湾全国碩博研討会」に派遣することができているが、その成果の報告も適宜行った上で、2012年1月7日~8日の両日、台北のGuling Street Avant-Garde Thearteにおいて、研究会The Modemization of Theatre in Asia/Asian Theatre in therst half of the 20^<th> centuryを開催して、8人の発表者の報告を行い、ディスカッショシを行った。現代のグローバリゼーションの進行する中で演劇史・演劇学の在り方を再考する目的は徐々に遂行されているものの、20世紀のアジア演劇の演劇史・演劇美学上の位置はまだまだ完全には理解され尽くしたとは言えない。またポスト植民地主義的なアジア諸国の自立を背景にした、自国演劇の再検討は年々高まるばかりであり、各国の演劇研究者との比較研究は一層の深化を見せている。2011年度の目的の一つである、アジア演劇間での伝統と共同体の影響関係を明らかにすることは、全体的にはかなり進んだと思われる。その成果を出版する計画を立てているところであり、次年度には目途を付けたい。また2011年度は、中国、韓国など東アジアの研究者との交流もさらに深めることができた。多くのアジアの演劇研究者とのネットワークも徐々に構築しており、アジア演劇特有の概念を、西欧の演劇概念と比較対照してその独自性を徐々に明らかにしている。また西欧演劇中心の演劇学・演劇史学を相対化し、アジアの演劇概念の共有化も徐々に進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年8月にIFTR国際演劇学会大阪大会を実施して参加することとパネルディスカッションを組織するしたこと、また2012年1月に台北で研究集会を実施したことが、2011年度の活動の中心となった。その準備や事後の研究会などを通じて議論を進めることができた。また計画にあった若手研究者を、本研究プログラムではない別のプログラムでではあるが、台湾に5名派遣して、英語による研究発表を行ったことを通じたその後の報告もできた点も大きな意味があった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降にはこれまで同様に研究集会を開催していくことを予定している。7月にチリのサンティアゴにおいて、また冬期には北京において、研究会を開催する。また2011年度の成果を出版する予定で計画を進めている。また5月には香港に今後の研究会の計画を立てるべく事前調査を行う。
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