研究課題
(1)観世文庫の文献資料のうち、これまで未整理のままになっていた400点余りの近世資料の調査を行い、整理番号や書名を付け、基本的な書誌データを採取するとともに撮影を行った。撮影した画像データはメンバーで共有し、今後、解題目録データベースの基礎稿を作成する予定である。(2)全体会議を開き、2006年から4年間にわたって行われた、科学研究費補助金基盤研究(A)「観世文庫所蔵能楽関係資料のデジタル画像化と解題目録作成に向けた総合的研究」(研究代表者:松岡心平)による調査に基づいて作成したデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」の利便性を高めるための方針と、今後の作業分担を定めた。その上で、研究分担者および10名程の研究協力者によって構成されるチームで、原本の再調査を行い、資料の書誌解題の見直し、及び拡充作業を進めた。(3)研究分担者・研究協力者によって構成される研究会を発足させ、15世観世大夫元章による能楽改革をテーマとする調査・研究を行った。特に、元章による注釈の書入れが顕著な謡本『爐雪集』については、研究協力者を中心に書入れの翻刻作業を進めると共に、研究会において引用書目の検討などを行い、能楽改革の背景にどのような謡曲理解があったのかを探った。また、能楽学会東京例会(2010年10月25日)において「観世文庫の観世元章関係資料をめぐって」という共通テーマを設けて、元章手沢謡本など観世文庫の文献資料を用いた発表を行い、研究成果の一端を報告した。
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観世
巻: 77-6 ページ: 26-35
巻: 77-11 ページ: 58-65
巻: 77-9 ページ: 1-1
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/kanzegazo/