研究課題/領域番号 |
22320053
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 准教授 (70360253)
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研究分担者 |
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
石井 倫子 日本女子大学, 文学部, 教授 (50328887)
伊海 孝充 法政大学, 文学部, 講師 (30409354)
高橋 悠介 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (40551502)
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キーワード | 能楽史 / 謡本 / 伝書 / 資料学 / 金春 |
研究概要 |
1、データベース化に向けた目録の入力 前年度に引き続き、般若窟文庫の資料目録の入力作業を行った。入力項目が多岐にわたるため、当初の予定以上に時間を要し、今年度中にデータ入力を終えることは叶わなかったが、すでに半分以上の目録データが完成しており、次年度中には入力が完了する見込みである。 2、般若窟文庫の資料撮影・デジタル化 今年度は、般若窟文庫の資料のうち、伝書・型付を中心に、五百点を超える資料の撮影を行った。具体的には、慶長十年筆『東北』仕舞付、寛文五年秋扇翁筆『定家』型付をはじめとする、江戸初期から江戸末期にいたる膨大な型付、戦国期の囃子伝書、江戸期の雑多の書付資料などで、これにより般若窟文庫の型付資料については全点の撮影を完了することができた。その他の資料についても、撮影は順調に進んでおり、研究期間内にすべての金春家旧伝文書の撮影とデジタル化を終了する見込みである。 3、撮影資料の紙焼き化 撮影したデジタルデータをもとに、今年度から順次、紙焼き写真へのプリントを行った。その結果、これまで閲覧・通読に不便であった一枚物の資料についても閲覧が容易となり、型付研究などに積極的に活用されている。 4、関連資料の調査・撮影 金春宗家伝来の型付資料の調査・撮影を行った。これは金春流の能演出の変遷を辿る上で一級の資料であり、般若窟文庫の型付資料とも密接な関連にあるため、今後、研究会を立ち上げるなどして、具体的な内容の検討を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金春家旧伝文書に基づく本格的な研究はいまだ未着手であるが、その研究基盤となる般若窟文庫蔵の能楽資料の撮影・デジタル化が当初の計画以上に順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
般若窟文庫蔵の金春家旧伝文書の撮影は次年度以降も継続して行い、研究期間内での終了の目途がついている。今後は、金春宗家蔵の能楽資料を含め、さらに広範囲に資料収集に努める。一方で、撮影・収集資料の増大化とともに、個別の資料の検討が十分に行われていない。現時点では、資料の撮影・デジタル化と収集を第一に優先すべきと考えているが、本研究が当初掲げた目的を達成するには、さらに資料ごとに踏み込んだ考察が必要である。そのためにも、次年度中か次々年度中には金春家旧伝文書に関する研究会を立ち上げることにしたい。
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