研究計画調書の項目に従い、以下に平成22年度の実績を報告する。 <1> 古代幼学としての列女伝と列女伝図の研究については、a司馬金竜墓出土板図屏風の図像、題記の解読を、平成23年3月に一通り終えた。また、b和林格爾後漢壁画墓に描かれた列女伝図の研究を終了させた(後掲の「列女伝図の研究(三)」)。またc、dとして、顧〓之の列女伝図の成立に関する研究を立ち上げ、論文公刊に備える。 <2> 孝子伝図の研究として、夏に中国山東省嘉祥県の武氏祠を訪れ、武梁祠画象石の拓本を蒐集して、来年度から幼学の会による会読に備える。また、中国社会科学院の趙超教授の紹介で、山東省博物院を訪れ、最新の孝子伝図、列女伝図の情報を集めた。シャヴァンヌの紹介に掛る、開封白沙鎮出土後漢画象石の図像公刊に取り掛かる(製版中)。 <3> 海外の幼学研究との連携の成果は、黒田の「武氏祠画象石は偽刻か」(『説話文学研究』42など)のキース・ナップ氏による英訳が公刊された("ASIA MAJOR"23、2010)また、黒田の「武氏祠画象石の基礎的研究」の中国語訳が進行している。 <4> 新領域の開拓として、杏雨書屋に所蔵される新出の太公家教について、その系統と伝来を、和漢比較文学会において発表した(2010.7.4) <5> <6> 日本文学との関連について、八幡縁起の研究を立ち上げ、牛窓の東原家や、刈谷の榊原家蔵の新資料を紹介、公刊した。
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