研究課題/領域番号 |
22320062
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
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研究分担者 |
岩本 和久 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 教授 (40289715)
鳥山 祐介 千葉大学, 文学部, 准教授 (40466694)
乗松 亨平 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (40588711)
長谷川 章 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60250867)
野中 進 埼玉大学, 教養学部, 准教授 (60301090)
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キーワード | ロシア / 文化 / 南方 / 表象 |
研究概要 |
本研究は、近代ロシア文化の地域表象分析に一定の実績を持つ研究者が、「南方」表象の総合的な考察を目的に行っている共同研究である。新たに4名の研究分担者を加えた平成23年度の主たる活動実績は以下の通り。 1)共同研究会を2011年11月26日に実施(於東京大学文学部、公開)。研究代表者の中村と同分担者の望月が、それぞれA.ベールイ『カフカースからの風』『アルメニア』読解」(討論者:長谷川)、「ロシア水辺文人調査旅行と南方表象」(討論者:楯岡)と題する報告を行い、研究者と聴衆とで質疑応答を行った。その後、関係者による来年度以降の活動計画の打ち合わせを行った。 2)北海道大学スラブ研究センター新学術領域研究会「生活空間、場の記憶、ジェンダー、探偵小説-ユーラシア比較文化の試み」(2012年3月3-4日、於北海道大学スラブ研究センター)で第4セッションを企画・主宰し、研究分担者の鳥山と、本研究協力者のTsyp1ImaDarieva(筑波大学准教授)が、それぞれ「1790・1800年代のロシアの旅行記に見る『南方ロシア』表象」「Locating transnational sacred places:The Blue mosque in post-socialist Yerevan」と題する報告を行った。中村がセッション司会、望月が討論者を担当した。 3)連携研究者の福間加容はロシア・トレチャコフ美術館新館(2011年12月15-25日)およびシカゴ歴史博物館(2012年3月19・24日)で、同じく齋藤毅はロシア国立図書館(草稿部門)(2011年12月21-27日)で、関連資料の収集を行った。 4)分担者の野中が共編著者である文化論集『ロシア文化の方舟』(「図書」欄参照)で、代表者の中村、分担者の岩本と乗松が、本研究のテーマに一部関わる内容の項目を執筆した。 5)2011年度に予定していた論集の刊行は実現できなかったが、2012年度中の刊行をめざして準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会での議論の進化と対象の拡大、研究参加者の共通理解は着実に進行している。また国内外のシンポジウム・学術研究会での発表や資料調査は、所期の予定を超えて進捗している一方。共同論集第1巻の刊行は、研究の折り返しまでに刊行できなかったが、2012年度刊行の準備は進んでいる。以上に鑑み、全体としては、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のテーマに関して、国外の研究者との意見交換は、予定していたほど順調に進捗してはいないが、この点に関しては、2012年度に予定されている、ロシア文化の「南方」表象のなかでも特権的な意義を有しているアルメニアでの共同調査、および現地の研究者とラウンド・テーブルの実施を契機として、積極的な展開を図る。 共同論集の発行がやや遅れているが、2012年度に刊行して成果を広く問い、国内研究者との議論を拡大していく予定である。また従来も共同研究会を公開としてきたが、今後はより広い範囲に周知広報を働きかける。
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