研究課題/領域番号 |
22320062
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
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研究分担者 |
岩本 和久 稚内北星学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40289715)
鳥山 祐介 千葉大学, 文学部, 准教授 (40466694)
乗松 亨平 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (40588711)
長谷川 章 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60250867)
野中 進 埼玉大学, 教養学部, 准教授 (60301090)
楯岡 求美 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (60324894)
望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ロシア / 文化 / 南方 / 表象 |
研究概要 |
研究計画の3年目に当たる本年度の実績の概要は以下の通りである。 1)2012年9月10-18日に、研究代表者・分担者・連携協力者によるアルメニア共和国共同調査旅行を実施した。これはアルメニアが19世紀末から20世紀にかけ、ロシア文学・思想において特権的な意義を有するトポスであったことに鑑み、関連資料や情報を現地において収集し、また現地の研究者と今後の共同研究の展望を話し合う目的からだった。 2)またその間、2012年9月12日に、エレヴァン市にあるアルメニア・スラヴ大学で、国際ラウンド・テーブル「Imagining the Landscape」を開催した。これは使用言語をロシア語とした、日本・アルメニア・ロシアの文学者、文化人類学者による国際ミニ・シンポジウムであり、多数の参加者をみた。日本側からは研究代表者の中村唯史と分担者の望月哲男が報告を行った。 3)上記の国際ラウンド・テーブルにおける報告に基づいて、北海道大学スラブ研究センターの協力を得て、論集「Imagining the Landscape: Viwes from Armenia and Japan」を2013年2月に刊行した。 4)公開国内研究会を、2013年3月16日に、東京大学文学部3号館で開催し、研究分担者である岩本和久と乗松亨平の報告を受けて、活発な質疑応答を行った。その後、最終年度である2013年度の研究計画について打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近代ロシア文化の南方表象の系譜において、きわめて大きな意義を持つ地アルメニアで実地および資料調査を本プロジェクト関係者の大半の参加を得て実施できたことは、本研究の大きな前進だった。その成果は次年度に刊行予定の論集に結実する見込みである。 国際ラウンド・テーブル「Imagining the Landscape」を、エレヴァン市にあるスラヴ大学を中心とする現地研究者の協力を得て開催し、質疑応答等を通じて、今後の研究の展望を開きえたこと、またこの会議の報告者(日本、アルメニア、ロシアの研究者)による共同論集を刊行できたことも、成果であった。 その一方、国内研究会については、2回程度の実施を想定していたが、実際には1回のみの開催となったことは、本研究関係者の多忙により、調整が難しかったことが主たる理由とはいえ、遺憾なことだった。 以上に鑑み、全般的に判断して、本研究はおおむね順調に進展していると判断するものである。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は本研究の最終年度となる予定であり、これまでの成果を国内向けにアウトプットする必要がある。したがって、本研究関係者を中心とする日本語論集を、研究代表者が所属する山形大学人文学部叢書の1冊として刊行し、その内容をウェブ上でも公開する予定である。 刊行に向けては、今年度前半に論稿を揃えたうえで、執筆者および関係者による合評会を実施し、これまでの成果を共有しつつ、論集としての統一と一貫性の確保を図っていく。 また国際学会での関連テーマでの報告も、従来と同様、積極的に展開していく予定である。
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