研究概要 |
1.電子化の対象とする書き起こしテキストとして,当初予定のOld Burmese Inscriptions, 5vols(1972-1998)およびEpigraphia Birmanica:being lithic and other inscriptions of Burma, 4vols.(1919-1936)の他,Old Burmese Inscriptions刊行以降に発見された碑文の書き起こしテキスト集であるNewly found Inscriptions(2005)を選定した。 2.研究分担者岡野が2010年12月にミャンマーに出張し,旧首都ヤンゴンの国立博物館,バガンの考古学博物館,アーナンダ寺院,シュエグージー寺院,ダマヤージカ・パゴダ等で調査を行った.また文化省考古学局およびバガン支局で,碑文調査研究の現状についての聞き取りを行った.その結果,新発見の碑文が数本あることが明らかになり,そのうちレッテーシェー碑文が,今回の訪問地に含まれないマンダレーにあるという情報を得た 3.澤田(2005)で提案された現代ビルマ文字綴字転写表をもとに,現代ビルマ文字正書法に現れない文字要素や組み合わせに対応できるようにビルマ文字の転写体系を拡張した 4.Old Burmese Inscriptions,vol.3,vol.4およびvol.2の一部を外注入力した.入力の過程で入力仕様中に指定した転写体系にない変則的ビルマ文字表記の存在が明らかになった時には,その転写のしかたを定め転写体系を修正した.その結果,転写体系は西暦13-15世紀のビルマ文字の正則および変則表記におおむね対応できるものとなった
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