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2011 年度 実績報告書

コエ語族ガナグループの系統分類の再検討:シフトかイノベーションか

研究課題

研究課題/領域番号 22320080
研究機関麗澤大学

研究代表者

大野 仁美  麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70245273)

キーワード言語学 / コイサン / 歴史 / 親族名称
研究概要

この研究は、(1)親族名称と(2)文法(統語比較)という2つの重点比較分野を設定し、研究期間前半の中心を(1)に、後半の中心を(2)にして進めている。以下、それぞれについて述べる。
(1)親族名称研究に関しては、A.昨年度収集した=Haba語の親族名称体系が、ガナグループではなく、近隣のナログループと等しい体系であることを明らかにした(論文は投稿済みである)。B・ガナグループの体系と(コエ語族に属さない)ボアン語の体系が、語彙は共有しないが体系は共有している事実に関して、ガナグループがもつコエ語族内においての「非コエ性」と、ホアン(ジューとともにKx'a語族を形成するという仮説のもとに)が有するジューには見られない要素とに着目し、この共有された体系がイノベーションで出来上がったという見通しを立て、両グループのどのような要素がどちらのグループからどちらのグループにもたらされた可能性が高いと考えられるかについて国際歴史言語学会(大阪:6月)にて研究発表を行った。
(2)文法研究(統語比較)に関しては、コエ語族ガナグループにおける格の発生の議論を進めるため、さまざまな機能を果たす小詞?aについて、収集した談話資料においてどのように出現するかを明らかにしその環境について分析をおこなった。その結果、小詞?aの出現は、構成要素のdislocationおよび文の情報処理に関係があることを明らかにした。この中間段階的な成果報告は、"?a in Glui : copula, participant marker, orsomethinge ise?"というタイトルで、第4回国際コイサン言語・言語学シンポジウム(於オーストリア:7月)において研究発表を行い、コイサン研究者と情報を交換した。また引き続き新規の資料を収集するために、現地調査(ボツワナ国、12月~1月)を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)親族名称研究に関しては、順調にすすんでいると同時に、成果公表の機会を当初の見込み以上に得ることができた。
(2)文法研究に関しては、比較分析への取り組みがやや遅れているが、当初の予定通り来年度以降集中的にすすめるためのグイ語基礎資料の収集は順調である。

今後の研究の推進方策

(1)親族名称研究については、来年度は成果公表の最終段階にあり、国際学会における研究発表や論文の作成をすすめる。
(2)文法研究については、資料の電子化・分析をすすめると同時に個別の問題(小詞勉、PGNマーカー)などについてすでに口頭発表ずみの内容を順次論文化する。ガナグループの資料収集は引き続きすすめる。ホアン語との比較に関しては、必要に応じ発表された資料および研究者との情報交換を通じてすすめてゆく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Sharing an anomalous pattern across a linguistic boundary : The kinship categorization of G|ui, G∥ana, Tshila, and Eastern=Hoan2011

    • 著者名/発表者名
      ONO, Hitomi
    • 学会等名
      ICHL(国際歴史言語学会)
    • 発表場所
      国立民族学博物館
    • 年月日
      2011-07-29
  • [図書] 「多様な言語と言語政策」、『ボツワナを知るための52章』(池谷和信編)2012

    • 著者名/発表者名
      大野仁美
    • 総ページ数
      269-273
    • 出版者
      明石書店

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公開日: 2013-06-26  

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